創意工夫と発想力で
酪農業の新たな可能性を描き、
未来を切り開く。

Member 04

酪農部 乳食品課

2007年度入会

工藤 祐也 Kudo Yuya

生乳の需給調整や乳製品の販売など、
酪農業の出口の部分に携わり、15年を過ごした。
積み上げた経験とこの仕事に携わる誇りを持って
酪農業の未来を照らしていきたい。

酪農家さんの生乳生産への
モチベーションアップにつながる
戦略を作りたい。

私が在籍する酪農部乳食品課は、乳製品の販売を行うセクションです。
そのなかで私が担当する主な業務は、全酪連の直営工場である岩手県の北福岡工場で製造する業務用乳製品の販売です。
バターやクリーム、脱脂粉乳などの乳製品を、乳業メーカーや商社や卸問屋、菓子メーカーなどの法人顧客との商談を通じて、販売しています。国内の乳製品のほとんどは北海道でつくられていますが、全酪連の乳製品は東北産の生乳からつくられる稀少性の高い製品です。乳製品は、牛が食べる餌の違いで色味も変わり、北海道産に比べて白味が強いのが特徴です。このような製品特性を商談の場でアピールしながら、より多くの製品を使っていただけるように努めています。
北福岡工場をはじめ、その他の協力工場で製造された乳製品の継続的な消費の実現は、それぞれの加工工場が将来にわたり存続することを可能にします。そして、その存続によって酪農家のみなさんは、日々安心して生乳を搾ることができるのです。

あってはならない生乳廃棄の危機。
それを乗り越えた業界全体の
一体感に勇気をもらう。

生乳共販(酪農家が搾った生乳を乳業メーカーなどに販売する際に、その手伝いをする仕事)という業務に携わっていた頃のことです。
生産地の近くに大きな消費地がなければ、より需要の大きなエリアでの販売を支援し、生乳の需要全体が落ちる時期には、生乳の加工工場に増産を依頼するなど、需給バランスの調整を行っています。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、日本政府は、2020年3月に全国で学校給食を休止することを決定しました。
この決定は2月末の金曜日のことで、すでに配乳計画は組まれていました。
しかし、この決定により給食向けの牛乳の行き場がなくなり、乳業メーカーも生乳の受け入れができないために、全国的な生乳廃棄の危機に直面することになったのです。 危機が迫るなか、業界関係者が一同に会し、回避のための対策を講じました。そして、牛乳よりも賞味期限の長い乳製品に加工することで、廃棄を防いだのです。
加工工場の人員体制を整えてフル操業を可能にし、配乳の手配も関係者が率先して行いました。業界全体が一体となって危機を乗り越えたことで、大きな手応えを感じた瞬間でした。

市場の変化をチャンスと捉えて、これまでとは異なる新たな切り口で提案したい。

新型コロナウイルスの感染拡大によって、乳製品の市場は、大きく変化しました。
お土産や外食関連の製品の売れ行きが大きく落ち込んだ一方で、巣ごもり需要から家庭向けの商品には好調に推移するものもあります。私たちが担うのは、酪農家のみなさんに事業を継続していただくことで、持続的、安定的な酪農業の経営基盤を支えていくことです。酪農家が、生乳をこれ以上搾ったらいけないのでは?と不安を抱かせることなく、生乳生産のモチベーションを維持し高めていただくために、新たな可能性のある商品の市場投入にも、積極的に取り組んでみたいと思うようになりました。
全酪連の乳製品は業務用の占める割合が大きいのですが、今後は、消費者がいま求めているものは何かを把握した上で、家庭向けの新たな商品を展開してみたいです。

1日のスケジュール

  • 09:30

    商談 
    乳業メーカーに直行

  • 11:00

    帰所 
    メールチェック、取引先からのメールに対応

  • 12:00

    昼休憩 
    昼食後には明治神宮まで散歩

  • 13:00

    ミーティング 
    リモート会議 
    全国の営業担当と販売状況の確認、フォロー、提案

  • 14:30

    デスクワーク 
    翌日の商談資料を作成

  • 16:30

    商品補充 
    本所前に新たに設置した自動販売機に商品を補充

  • 17:00

    デスクワーク 
    取引先からのメールに対応

  • 18:00

    退勤

就職を考える皆さんへ

酪農専門農協である全酪連の仕事は、実に多彩です。酪農家のみなさんと直接接する仕事もあれば、私のように、製造された乳製品を一般企業へ販売する業務もあります。このほか、酪農経営の改善に取り組む部署や酪農家のモチベーション向上のためのイベントの企画・運営を担当する部署もあります。動物や酪農に興味があり、酪農業を支えたいという意思があるのなら、どの仕事にも誇りをもって取り組めるはずです。全酪連の一員となって、酪農家さんのために、一緒に汗をかきましょう。