子牛たちを健やかに育て
搾乳牛としての活躍を支えて
酪農業の基盤を築く。

Member 01

札幌支所 根室駐在員事務所

2018年度入会

井上 雄友 Inoue Taketomo

それは「やりたい仕事」かと自らに問いかけ続け、
全酪連を第一志望にした。
牛に関わる多彩な業務を推進する組織なら
自分に合った仕事が出来ると考えた。

預託事業を通して搾乳後継牛を確保し、酪農業の活性化に貢献する。

全酪連では、北海道を除く全国の酪農家で生まれた雌の子牛を預かり、搾乳後継牛(自分の牧場で将来搾乳できる牛)として北海道の牧場で妊娠・出産できる月齢になるまで哺育・育成・繁殖させ、分娩の2か月半前を目処に預けた酪農家さんへお返しする事業を行っています。
これを預託事業といい、現在、私が携わっている事業です。
到着時の牛の状態をチェックし、預託農家さんに預け、その後の発育状況や授精歴などを酪農家に報告します。怪我などが生じた際には預託農家さんと酪農家さんのパイプ役となって問題解決にあたっています。この預託事業の活用によって、酪農家の哺育・育成にかかる労力負担を軽減し、設備投資を削減しながら、自家産の搾乳後継牛を確保することが可能になります。
「全酪連将来ビジョン」の一つに、搾乳後継牛の確保がありますが、預託事業の一端を担う担当者として、本事業がより多くの酪農家さんから必要とされるものとなり、また搾乳で活躍する牛たちをより多くお返しできるように努めて、酪農業の活性化に貢献したいと願っています。

牛たちの些細な仕草も見逃すことなく、牛を見る確かなものさしを身につけていく。

預託牛が北海道に到着すると、月齢に見合った発育をしているか、怪我をしていないか皮膚病などに罹患していないかをチェックしたうえで、預託農家さんに預かってもらいます。
あるとき私の目には通常の状態だと映った子牛を見て、預託農家さんが「心配だな」と漏らしたことがありました。一週間後に「体調を崩している」と連絡があり、獣医に診てもらうと肺炎と診断されました。到着時のチェックで異常を感じとることができたなら、現状報告と出発前の状態確認を行い、より適切な対処ができたはずです。
生き物を相手にする仕事の難しさを知り、確かな「牛を見る目」を身につけることの大切さを痛感した出来事でした。到着時には元気でも、輸送の疲れが、数日を隔てた後にでることもあります。
今後は、預託農家さんの目利きを吸収しながら、ちょっとした牛の仕草や毛艶などにも気を配り、自分のなかに判断のものさしを数多く持てるように、経験を積み重ねていきたいと考えています。

酪農家と預託牧場との良好な関係を築きあげ、預託事業の拡大を、安定した酪農経営につなげる。

今後に向けた目標の一つは、預託農家さんと全国の酪農家さんのパイプ役として、より円滑な事業運営を行っていきたいと思います。一つひとつ丁寧にこなすことで、双方とより良好な関係を築いていくとともに、全酪連の預託事業を利用してみたいと考える酪農家さんを一軒でも増やしていきたいと思います。
もう一つの目標は、良好な発育をした牛を数多くお返しできるよう、飼養技術や栄養面について知識を深めていきたいと考えています。牛の状態を見て、どのような餌を与えるべきかの見極めができるようになれば、牛の発育にとってプラスとなるはずです。預託受入れ時から発育に遅れが見られる際は、全国各支所の畜産担当者と共有することで酪農家さんに対する情報発信にもなります。
預託農家さんの経験や、飼養技術・栄養面に詳しい多くの職員からも積極的に知識を得ることで、預託牧場のフォローの強化につなげたいと思っています。

1日のスケジュール

  • 08:50

    出勤 
    札幌支所をはじめ全国の畜産担当からのメールチェック

  • 09:30

    外出 
    分娩前の預託牛を確認するため預託牧場へ向かう

  • 10:00

    外勤 
    預託牛のチェック、繁殖状況等について預託農家と情報交換

  • 12:00

    昼休憩 
    「角煮らーめん」のおいしい店でランチ

  • 13:00

    移動 
    預託牛の受入れに立会うため、次の預託牧場に伺う

  • 14:00

    外勤 
    預託牛の受入れ、牛の発育状況や怪我をしていないかをチェック

  • 15:30

    帰所 
    メールチェック、1日の業務報告、事務処理、翌日の予定確認

  • 17:50

    退勤

就職を考える皆さんへ

就活をスタートした当初は、さまざまな業種に目移りしてやりたい仕事を絞り込むことができず、色々な企業説明会に参加したものの「この仕事は自分に合わない」という場面も数多くありました。一方で、「合わない仕事」の対には「自分に合った仕事もある」ということに気付きました。
一つひとつの仕事に対して「それは自分に合った仕事なのか?」と自分に問いかけていく中で見えてきたことが、私の場合は、牛に携わる仕事を行いたいということと、営業に挑戦してみたいという思いでした。やりたい仕事は分からなくても、やりたくない仕事はあるものです。自分が納得できる仕事を見つけられれば、迷いなくその仕事に力を注ぐことができると思います。