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輸入粗飼料情勢

 

 

 

(令和8年8月12日発表)

<購買生産指導部 購買推進課>

海運情勢 26年8月現在の海上コンテナ輸送情勢について、足元では世界的なコンテナ輸送需要が堅調に推移する一方、地政学的なリスクや燃料価格、港湾混雑等の影響により、輸送環境は依然として不安定な状況が続いています。

海上運賃については、26年夏場に入り一時的に落ち着きを見せたものの、アジア発北米向けを中心に再び上昇する動きが見られます。特に米国向け航路では、関税政策等を背景とした輸入貨物の前倒し輸送により、コンテナ需要が早い時期から高まったことが運賃を押し上げる要因となっています。

釜山港など主要な積替港では、貨物集中や船舶スケジュールの乱れ等により、コンテナの滞留や接続船への積替え遅延が発生するケースがあります。このため、海上運賃だけでなく、実際の輸送日数や入港スケジュールについても注意が必要です。

また、中東情勢については引き続き不透明感があり、原油・船舶燃料価格の上昇や、航路変更、保険料等への影響が懸念されています。こうした要因が発生した場合、海上運賃に加えて燃料サーチャージ等の追加費用が上昇する可能性があります。

今後については、米国向け貨物の前倒し輸送が一巡すれば、秋口以降にコンテナ需要が落ち着き、運賃が軟化する可能性があります。一方で、地政学的リスクや燃料価格、港湾混雑等の影響が継続した場合には、運賃が高止まりする可能性もあり、先行きは不透明な状況です。

輸入粗飼料については、海上運賃だけでなく、産地価格、為替、内陸輸送費、港湾費用、燃料サーチャージ等を含めた総合的な輸入コストを注視する必要があります。また、輸送遅延が発生した場合に備え、通常より余裕を持った納期設定や在庫管理を行うことも重要となります。今後も、米国をはじめとする主要産地の出荷状況、主要港の混雑状況、海上運賃、為替、燃料価格等の動向を継続的に確認し、安定した供給に努めてまいります。

米国産ビートパルプ 米国26年産ビート大根(甜菜)は作付けが終了し、順調に生育しています。作付面積は25年産に比べて減少しています。ビートパルプペレットの生産は秋以降になります。25年産は完売状態であることから、国内向け、ヨーロッパ向けともに、早くも成約が進んでいる模様です。牧草や副産物の価格も上昇しているため、26年産ビートパルプペレットの価格も既に高騰しており、価格は24年産よりも値上がりした25年産よりもさらに値上がりすることが早くも見込まれています。
アルファルファ 米国産アルファルファは、各産地で収穫が順調に進む一方、干ばつによる供給懸念や国内外からの需要増加を背景に、産地価格は高値圏で推移しています。ワシントン州では、アルファルファの2番刈りが概ね終了または終盤を迎えており、まもなく3番刈りが始まる見込みです。2番刈りの品質は概ね良好ですが、国内需要に加えて輸出需要も堅調であることから、2番刈りは1番刈りを上回る価格水準で取引が開始されています。特にワシントン州では、隣接するアイダホ州で干ばつが深刻化しており、供給不足を補うため、ワシントン州産アルファルファがアイダホ州へ流入する動きが活発となっています。こうした域内需要の増加が、産地相場を押し上げる要因となっています。

オレゴン州クラマスフォールズでも2番刈りが終盤を迎えています。1番刈りは品質が良好で、カリフォルニア州の酪農家からの引き合いが強かったことから、産地価格が上昇しました。2番刈りは気温の上昇に伴い、1番刈りほどの高い成分値は確保できていないものの、価格は引き続き1番刈り並みの水準で推移しています。

一方、PSW(カリフォルニア州)では、インペリアルバレーで5番刈りの収穫が進んでいます。高温の影響から成分値が低くなりやすく、低級品の発生が中心となっています。しかし、他産地での干ばつによる供給不足を背景に、これまで需要が弱かった低級品についても米国内からの引き合いが強まっています。さらに、中国・韓国向けを中心とした輸出需要も旺盛であることから、カリフォルニア州においても産地価格は上昇基調が続いています。

今後については、各産地で収穫が進むことで供給量の増加が期待される一方、アイダホ州をはじめとする干ばつ地域への供給、米国内の酪農需要、アジア向け輸出需要が引き続きアルファルファの需給を左右するとみられます。現時点では、需要が供給を上回る状況が続いており、アルファルファ相場は当面、高値圏で推移する可能性が高いと考えられます。

米国産チモシー ワシントン州では、8月中旬頃からチモシー2番刈りの収穫が始まる見込みです。1番刈り終了後、一部ではチモシーから他作物へ作付けを切り替えた農家も見られますが、現時点では、多くの農家が2番刈りの収穫を行うとみられています。

今年の1番刈りは、過去2年間と比べて上級品の発生が少なかったことから、良質なチモシーへの需要が強まっています。特に上級品については、安定した確保を求める引き合いが増えています。

2番刈りは現在のところ生育が概ね順調に進んでおり、今後の天候に恵まれれば良品の生産が期待されます。一方、収穫時期の降雨は品質に大きな影響を与えるため、今後の天候と収穫状況には注視が必要な状況となっております。

スーダングラス 主産地であるカリフォルニア州南部インペリアルバレーでは、26年産スーダングラスの1番刈りが概ね終了し、一部圃場では2番刈りの収穫が始まっています。7月15日時点の作付面積は20,590エーカーで、前年同時期比86%となっており、作付面積は前年を下回っています。また、中東情勢の悪化に伴う燃料費・肥料費など生産コストの上昇に加え、現地価格の低迷や日本向け需要の減少が続いています。このため、2番刈りまで収穫を進める圃場は限定的になると見込まれており、26年産スーダングラスの生産量は前年を下回ると予想されております。

一方、各地のサプライヤーでは旧穀在庫を一定量抱えていることから、現時点では日本向けの輸出量について大きな懸念はないとされています。しかしながら、生産コストの上昇により収益環境は依然として厳しく、生産農家からは採算確保に向けた販売価格の引き上げを求める声が強まっています。

クレイングラス 主産地であるカリフォルニア州南部のインペリアルバレーでは2番刈りが終了し、3番刈りの収穫も開始しています。7月15日時点の作付面積は24,977エーカーとなっており、前年同時期比で109%となっています。今年はDIP(休耕地政策、以下DIP)へ参加する圃場が増加していることから、前年より早期かつ長期間DIPへ移行する圃場が増える見込みで、その影響から供給量は前年を下回ると予想されております。

一方で、日本向け需要は堅調に推移しています。韓国向け需要はやや軟調に推移しているとのことですが、本来低級品はDIP明けに発生するため、発生量の少ないと予想されている今年は低級品の買付競争が激化する可能性があります。

ストロー類(フェスキュー・ライグラス) アニュアルライグラスストローは7月初旬時点で刈り取りがほぼ終了しました。現地ではフェスクストローの収穫が進んでいます。両品目とも6月下旬の降雨の影響で、例年より色目にばらつきが見られております。

これから収穫を予定しているペレニアルライグラスストローも降雨による倒伏が懸念されており、収穫期の天候が品質と収穫量に影響を与えそうな状況です。

カナダ産チモシー 〇レスブリッジ

産地では7月は暖かく湿度の高い日が続いたため、1番刈りチモシーの収穫がほぼ完了しております。収穫期間中は一時的に不安定な天候や朝露の影響を受け、一部スタックでは軽微なブリーチも見られましたが、全体として品質は例年並みで大半が中級品以上となる見込みです。

〇クレモナ

産地では7月末時点で順調に収穫が進んでおり、このまま好天が続けば8月上中旬までには収穫が完了する見通しです。今年は6月に十分な降雨があったことと、7月の湿潤な天候により圃場の状態は良好でした。そのため収穫量も不作であった過去数年を上回り、平年並みまで回復する見通しで、品質面も期待されております。

豪州産オーツヘイ・ウィートストロー  

26年産は6月までに播種がほぼ完了しました。産地では4~5月の降雨により土壌水分は十分に確保されています。現時点で大きな生育被害はありませんが、エルニーニョ発生による東豪州の干ばつリスクや、西豪州の乾燥による減産が懸念されています。輸出需要は年初に比べると一時低下したものの、日本向け上級品需要や中国向け需要の回復により、足元では増加傾向にあります。一方、豪州国内は牧草の生育が良好で乾牧草需要は低調です。25年産の輸出向け低級品は引き続きタイトな状況で、今後は天候と26年産の生産量が市況を左右する見通しです。

総括 輸入粗飼料を取り巻く環境は、産地の天候や需給、輸出需要に加え、海上運賃や港湾混雑、燃料価格などの影響を受け、先行き不透明な状況が続いています。

北米産粗飼料は良品を中心に需給は引き締まっており、産地価格は高値圏で推移しています。特にここ数年、現地価格が低迷していたアルファルファは米国内需からの引き合いが強くなったことで産地では買付競争が激化しており、注意が必要な状況です。今後も引き続き天候による生産量・品質への影響やコンテナ輸送環境に注視していく必要があります。