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輸入粗飼料情勢

 

 

 

(令和5年1月18日発表)

<購買生産指導部 購買推進課>

北米コンテナ船情勢  

北米西海岸南部(PSW)のロサンゼルス・ロングビーチ港の11月コンテナ取扱量は、インフレ由来の消費減少や港湾労使交渉によるストライキを懸念した荷主が貨物を東海岸へ移行したことにより、前年同月比で約20%減少しており、過去2年あった港湾の混雑は解消しています。

北米西海岸北部(PNW)のシアトル・タコマ港の11月コンテナ取扱量は、空コンテナ不足・本船遅延等に起因する船腹不足により、前年同月比で約24%減少しています。

通常PNWの貨物はタコマからカナダのバンクーバー港を経由し日本へと寄港していますが、今冬のバンクーバーは例年以上の豪雪に見舞われており、ターミナルの荷役作業が遅れ、加えて中国をはじめとするアジアからの輸入貨物の減少や本船の抜港等が原因で空コンテナが不足しています。このため、カナダ航路については、各船会社において新規ブッキングを受け付けておらず、出荷スケジュールに遅延が生じ始めています。

苫小牧港や博多港向けなど、北米や豪州からの経由地となる韓国では11月末より港湾関係のトラック運転手によるストライキがおよそ2週間行われていました。この影響でコンテナ搬出入量が平時に比べ60%程度まで落ち込んだため、日本―韓国間の輸送貨物も一時的な遅延が見られましたが、12月中旬に交渉がまとまり、状況は落ち着きを見せ始めています。

海上運賃は、コロナ禍で上昇が続いていましたが、北米航路は港湾の混雑解消とともに、船腹にも余裕が生じており、徐々に軟化しています。

ビートパルプ <米国産>

産地では各製糖工場で生産が続いています。22年―23年産ビートの生産量は作付面積減少の影響で21年―22年産より減少する見込みとなっています。

主産地であるミネソタ州クリスタル地区ではビートの原料の保存に適した気候のなかビートパルプが生産されていますが、多くの工場で従業員不足と厳冬による原料や製品輸送向けのトラックや鉄道の手配に苦慮しています。産地相場については引き続き、国内外から生産量を超える追加需要の引き合いが強いことから、堅調に推移しています。

アルファルファ 農林水産省・植物防疫所から発表された輸入統計の速報値によると2022年における日本のアルファルファの年間輸入量は前年比95%のおよそ368,000トンとなりました。特に22年産の新穀の出荷が本格化した9月以降、月間輸入量は25,000トン以下となっており、歴史的に低い水準の輸入量となっています。

一昨年21年の年末は海運の混乱により輸入量が限られ供給が逼迫しましたが、昨年末は海運情勢が改善したにも関わらず、21年以上に輸入量が減少しています。低調な輸入量のなかでも日本においては逼迫感が見られなかったことから、歴史的高値となった米国産アルファルファの需要低下が見られています。

<ワシントン州>

22年産は輸出向け主産地であるワシントン州で収穫期に不安定な天候が続き、低級品中心の発生となったことから、各輸出業者において、中国を中心に需要の旺盛な上級品を十分に買付できていない状況です。低級品についても、旱魃が回復したアイダホ州を中心に産地相場はピーク時に比べ軟化している一方、今年は降雪が多く厳冬のため、放牧草の代替で米国内の酪農家、肥育農家からの需要が戻ってきており、今後需要が強まる可能性があります。

米国産チモシー 主産地である、ワシントン州コロンビアベースン及び、エレンズバーグでは22年産の生産を終了しました。22年産1番刈は上級品中心の発生となり、中・低級品の発生は限定的となりました。産地相場が異常な高値となったなか、米ドル対比で通貨安となった日本、韓国からの需要は予想を上回る減少となっており、各輸出業者で工場の操業に苦慮している状況です。この影響で一部の輸出業者が値下げを行い、出荷を促す動きが出ています。
スーダングラス 産地では22年産の収穫は終了しました。急速な円安の進行等により、日本向けの出荷は鈍化傾向にあります。この状況が続けば、産地の各輸出業者は例年よりも多くの繰り越し在庫をもって23年産を迎える可能性があります。

一方で23年産に向けた種子の栽培は、主産地のひとつであるアリゾナ州ユマで昨年、旱魃による取水制限があったため、生産量は例年に比べて減少しました。この減産が種子価格に影響を及ぼし、23年産スーダングラスの作付けに波及する可能性があり種子相場には注視が必要です。

クレイングラス (クレインは全酪連の登録商標です)

産地では22年産におけるクレイングラスの収穫は終了しました。主産地であるカルフォルニア州南部インペリアルバレーでは、現在一時的に夏場に見られた、内需からの猛烈な引き合いはないものの、産地では依然として価格が堅調なアルファルファの代替としてクレイングラスが取引されています。一方でスーダングラス同様輸出向けの荷動きの鈍化が見られています。

インペリアル灌漑局から発表された12月15日付の作付面積は昨年同期比114%となる、22,099エーカーとなっています。

バミューダ 2022年のバミューダヘイは米国内の馬糧市場を中心に旺盛な需要がありました。

バミューダストローについては、夏季に収穫されたものは、他の禾本科系牧草と同様に需要が減退し、在庫を抱える輸出業者が見受けられます。現在産地では色目が悪く輸出向けの需要が少ない秋季から冬季に栽培されるウィンターバミューダストローの作業が本格化しています。

カナダ産チモシー 主産地であるアルバータ州中部クレモナ地区、南部レスブリッジ地区ともに22年産の収穫作業は終了しており、1番刈の品質は中級品から上級品、2番刈の品質は低級品から中級品が中心の発生となっています。産地相場は内需及び海外からの引き合いが強いため、堅調に推移しています。

一方産地では12月下旬に寒波が襲い、豪雪の影響で国内の輸送が混乱し、工場での生産にも大きな遅れが発生しています。

豪州産
オーツヘイ
農林水産省・植物防疫所から発表された輸入統計の速報値によると2022年の豪州産オーツヘイは、およそ529,000トン本邦に輸入されており、前年の2021年比で71,000トン程度増加しています。500,000トンの輸入量を超えた年は、過去10年なく、本会の調べによると2006年以来13年ぶりになります。今回の大幅な増加の背景には21年産北米産グラスヘイが旱魃の影響で発生量が少なかったことよる代替需要や、22年産北米産牧草が軒並み高値となったことで、割安感のある豪州産オーツヘイの需要が高まったと考察されます。

生産については22年産の収穫作業は刈残しがある東豪州を除き概ね終了しています。22年産の作況は地域によって大きく異なり、東豪州では断続的な降雨の影響で、重度の雨あたり品や、刈遅れ品の発生がほとんどで低級品中心の発生となっています。南豪州でも断続的な降雨の影響で雨あたりや刈遅れ品の発生が多く、上級品の発生は限定的です。一方で西豪州は比較的作況に恵まれたため、上級品中心に各グレードバランスよく発生しています。産地相場としては、作付面積減少やインフレを主要因に生産コストは上昇しており、21年産比で産地での買付価格は上昇していますが、直近、対米ドル比で豪州ドル安となっていることや、輸出業者によっては、旧穀を保有していることから、輸出向けの値上げ幅を吸収できており、相場は安定的に推移しています。

豪州産
ウィートストロー
産地では収穫作業が本格化しています。オーツヘイと同じく、雨の影響で収穫作業に遅れが生じており、例年より3週間程度遅い進捗となっています。東豪州中心に一部の地域で降雨被害を受けましたが、西豪州では良品が発生しています。