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輸入粗飼料情勢

 

 

 

(令和4年5月10日発表)

<購買生産指導部 購買推進課>

北米コンテナ船情勢  5月9日にロサンゼルス港から発表された報告によると、ロサンゼルス港及びロングビーチ港沖合におけるコンテナ本船の滞船は36隻となっています。この2ヵ月間40隻前後の滞船数を維持していますが、直近ではロサンゼルス港、ロングビーチ港における港湾作業員の不足(コロナウィルス感染者増加や春休み)により、1船あたりの荷役作業に時間を要しており、不安定な本船スケジュールとなっています。

オークランド港でも、港湾労働者不足の影響で荷役に深刻な遅れが生じ、定期船の抜港や直前でのスケジュール変更が頻発しており、各輸出業者は対応に苦慮しています。

一時スケジュールが回復していたPNWのシアトル、タコマ、バンクーバー港では、年末年始の最悪期に比べ状況は改善したものの、バンクーバー港ではターミナルによって混雑が解消していないため、沖合でのコンテナ本船の滞船が続き、1カ月以上遅延する貨物は依然として多い状況です。

また今年は北米西岸港湾労組(ILWU)と船社・ターミナル会社の使用者団体(PMA)間で労働協約更新の年となります。7月1日の契約満了に先駆け、5月12日から交渉が開始される予定です。前回2014-15年は合意までに約8カ月を要し、西海岸全域の港湾混雑に繋がり物流が大きく混乱しました。今回の契約の争点として、「港湾ターミナルの自動化」及び「給与」になると言われており、早期の契約更新が望まれています。

ビートパルプ <米国産>

21年―22年産ビートパルプの製造は、例年よりも長い製造期間となっており、5月に入りいくつかの工場で製造を終えたものの、他工場では6月上旬まで続く見込みです。背景としては原料であるビートが豊作であったこと、冬期の天候がビート原料の保管に非常に適したもので、保管中のロスが少なかったこと、加えて工場における労働者不足で製造に時間を要したことが挙げられます。

新穀となる22-23年産は、主産地の一つであるミシガン州で播種作業が終盤を迎えており、5月上旬にも終了する見込みです。しかしながら、他の地域では寒冷な気候と断続的な降雨の影響で播種作業の開始が遅れています。例年5月初旬には播種作業の折り返しを迎えますが、今年はまだ播種が開始されていない状況です。播種作業の遅延は単収をはじめとするビートの生産に影響を及ぼす可能性があるため、早期の天候回復が望まれています。

アルファルファ <ワシントン州>
主産地であるコロンビアベースンでは、5月上旬より南部で22年産1番刈の収穫作業が開始されています。産地では4月中旬に降雪があり、現在も冷涼な天候が続いているため生育は遅く、例年に比べ1番刈の収穫作業開始が遅れています。

また産地では旱魃の影響から近隣州であるアイダホ州、オレゴン州、モンタナ州からのアルファルファに対する引き合いは依然として強い状況です。内需及び中国の強い引き合いから、22年産の産地相場はカルフォルニア州同様非常に高い水準で推移することが危惧されています。

<オレゴン州>

同州南部クラマス地区では現地当局よりクラマス川における生産者に対する農業用水の割り当てが発表になりました。旱魃が続くなか割当量は昨年より増加したものの、4月から7月中旬までの限定的なものとなり、潤沢に水量がある時期と比べ、割当量は15%以下となります。今後旱魃が悪化すると、割当量が減らされる可能性もあるため、引き続き注視が必要です。

<カリフォルニア州>
カリフォルニア州南部インペリアルバレーでは22年産2番刈が収穫されています。これまで冷涼な気候であったことから、上級品中心の発生となりましたが、内需及び中国からの引き合いは強く、上級品の産地相場は前年同期比でトンあたり150ドル程度上昇し、非常に高価なものとなっています。

また産地では生産者によっては3番刈の収穫がまもなく開始されます。直近では最高気温が40℃近くまで上昇しており、品質が低下し始め、今後は中級品中心の発生になることが見込まれています。

カリフォルニア州北部ディクソン地域では、1番刈の収穫が開始されています。冷涼な気候と旱魃により生育が遅れており例年より3週間程度遅い1番刈のスタートとなりました。産地周辺は州内の酪農地帯に近いため、好調な乳価を背景に上級品はインペリアルバレー同様、高値での取引がされています。

米国産チモシー  主産地であるコロンビアベースンでは4月より冷涼な天候が続いており、生育が例年よりも遅れています。この影響で22年産1番刈の収穫は例年よりも1-2週間遅い6月初旬から開始される見込みです。

22年産の作付面積については前年並みとなっているものの、穀物の相場が堅調なことから21年産同様、1番刈収穫後に換金性の良い穀物へ転作される可能性があります

スーダングラス  主産地であるカルフォルニア州南部インペリアルバレーでは、早播品の播種作業が開始されています。産地灌漑局から発表された4月15日付時点のスーダンの作付面積は21,925エーカー(前年19,307エーカー)と、前年比で114%程度となっています。競合作物である小麦の作付面積は好調な相場を背景に38,5365エーカー(前年16,484エーカー)と昨年比233%となっており、輪作も相まってアルファルファやレタス、ビートなどに置き換わり作付面積が増加しています。

22年産の早播品の収穫は6月上旬頃から開始される見込みです。各輸出業者は21年産の繰り越し在庫がないため、収穫開始とともに旺盛な買付が行われることが見込まれています。生産コストが上昇していることもあり、高値で取引されることが懸念されており、相場には注視が必要です。

クレイングラス (クレインは全酪連の登録商標です)

産地であるカルフォルニア州南部インペリアルバレーでは4月下旬より22年産1番刈の収穫が開始されています。天候にも恵まれ収穫は順調に進んでいます。一方で産地では燃料及び肥料代、人件費等の生産コストが大幅に上がっていることに加え、同地域で生産されているアルファルファが高値で取引されていることから、生産者としてもクレイングラスの価格に期待しており、収穫された22年産1番刈は高値でオファーされています。このような状況下21年産の北米産牧草を十分に買付できなかった日本、韓国の業者によっては5月の出荷に向けて、オファーを受け入れる動きも見られ、22年産の産地価格は高値でスタートしています。

バミューダ  主産地であるカルフォルニア州インペリアル群灌漑局の発表によると、4月15日時点での22年産の作付面積は61,438エーカー(前年同期:62,088エーカー)と前年比99%とほぼ前年並みとなっています。例年春先は主に種子向け中心の収穫となりますが一部の圃場で牧草が収穫されています。
ストロー類(フェスキュー・ライグラス)  フェスキュー・ライグラスストローの主産地であるオレゴン州北部ウィラメットバレーでは4月に断続的な降雨がありました。この降雨は土壌水分の回復に寄与していますが、冷涼な気候が続いており、生育は遅く例年よりも収穫が遅れる可能性があります。
カナダ産チモシー  主産地であるアルバータ州中部クレモナ地区における22年産の作付面積は、前年並みと予想されています。4月は日によって気温の寒暖差があり、20℃を超す日もあれば、降雪が記録された日もありました。加えて適度な降雨があったため、土壌水分の回復に寄与しています。4月下旬からは徐々に暖かくなってきており、今後生育期を迎えます。一方で生産コストは他産地と同様高騰しており特に肥料代は昨年比2倍以上となり、生産者の負担となっています。

同州南部のレスブリッジ地区の作付面積も昨年並みになる見込みです。クレモナ地区同様、4月は降雪があったものの、例年に比べ降雪及び降雨量が少なく、今後生育期を迎えるにあたり、旱魃が懸念されています。

豪州産
オーツヘイ
 東豪州及び、南豪州中心に十分な降雨があり、現在全域で播種作業が開始されています。22年産は世界的な穀物相場の高騰により、産地生産者におけるオーツヘイの作付意欲が減退しており、より換金性の高い菜種や小麦へオーツヘイから作付をシフトする生産者が増加しています。また肥料代が高騰していることから、肥料代削減のため圃場への窒素源確保を目的とし、輪作として大豆への作付意欲も高まっています。
豪州海運情勢について  韓国、中国、マレーシア、シンガポールなど、積替港での混雑は改善の兆しはなく、貨物が長期間滞留し大幅な遅延が発生しています。加えて豪州でも4月中旬以降、オミクロン株の感染が拡大し、港湾労働者不足からコンテナ本船のスケジュールに遅延が発生しています。一方、2月下旬頃に記録的な豪雨を記録した豪州東部では、港湾が閉鎖されスケジュールに影響が出ていましたが、現在は通常通りに戻りつつある状況です。