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輸入粗飼料情勢

 

 

 

(令和4年9月13日発表)

<購買生産指導部 購買推進課>

北米コンテナ船情勢  カナダのバンクーバー港では、鉄道貨車が停滞しコンテナがターミナル内を占拠しているため、荷役効率低下により沖合でのコンテナ本船の滞船数が増加しています。このため、船社によっては9月下旬から10月上旬にかけてPNW(シアトル・タコマ・バンク―バー港)発、日本向けの直行便3本船の抜港を発表しています。秋以降は例年、農作物の出荷や米国のクリスマス商戦、冬期の荒天の影響を受け船腹が逼迫しやすくなるため、今後も本船の動向には注視が必要です。

海上運賃については夏場に入り、船腹の余剰感が出ていることから、各船会社運賃の見直しを行っていますが、現状の乾牧草相場を鑑みると、非常に軽微なインパンクとなっています。

ビートパルプ <米国産>

22-23年産ビートは、生産の遅れが生じた一部の地域を除き、収穫と製糖作業が各地で開始されています。主産地のミシガン州では、生育期に理想的な天候に恵まれたため、例年以上の単収が見込まれていますが、他の地域では、播種作業の遅れを挽回できず、収量は芳しくないため、22-23年産のビートの総生産量は前年より減少する予想となっています。

産地相場については、一時穀物相場が軟化したものの、産地では旱魃により周辺地域の畜産生産者が粗飼料不足に直面しているうえ、同じく旱魃に直面し、ロシアからの禁輸措置によりビートが不足しているヨーロッパからの引き合いが強く、新穀の大半が既に成約済となっていることから、産地相場は昨年比で大幅に値上がりしています。

アルファルファ <ワシントン州>
主産地であるコロンビアベースンの南部では、収穫スケジュールの早い圃場で8月下旬より4番刈の収穫が開始されています。中部から北部にかけては、3番刈の収穫が終盤を迎えています。22年産は1番刈の収穫前に降雨が続き、例年に比べ収穫開始が大幅に遅れたことから、多くの圃場で4番刈の収穫を断念することが予想されています。このため産地では22年産における生産量は例年に比べ大幅に減少することが見込まれています。

2番刈の作況については、収穫期に好天に恵まれたことで、色目の鮮やかな品質が多く発生したものの、夏場の収穫で気温が高かったことから、成分値は低く、過乾燥気味な中級品中心の発生となりました。

近隣州であるアイダホ州、モンタナ州では旱魃状況は改善傾向にあり、これらの州では雨当たりの程度がひどく、成分の低い低級品の需要及び相場は落ち着きを見せていますが、上級品は引き続き内需及び中国向けに需要は高く、堅調な相場で推移しています。

<オレゴン州>

同州南部クラマスフォールズでは2番刈の収穫作業が終了しており、一部の圃場で8月下旬から3番刈の収穫作業が開始されています。2番刈は収穫期に天候が不安定であったことから、30~40%程度で雨当たり品が発生しています。

同州クリスマスバレーも2番刈の収穫期に降雨があったため、クラマスフォールズ同様30~40%程度で雨当たり品が発生しています。

2番刈は収穫期において、夏季の気温上昇に伴い、成分値と品質が1番刈に比べ低下したことから、内需向け及び中国向けを主とする輸出向けの引き合いが落ち着きました。このため2番刈の産地相場は1番刈と比較し若干の軟化を見せましたが、それでも例年に比べ非常に高値で推移しています。一部輸出業者によると、近隣州の酪農家は、今後、秋に向かい気温が冷涼になるため、高成分が期待できる3番刈の収穫を待っており、3番刈以降再び産地相場が反発する可能性があるため、引き続き米国内需の動向を注視する必要があります。

 

(22年産2番刈オレゴン産アルファルファ 8月下旬撮影)

<カリフォルニア州>
同州インペリアルバレーでは現在7番刈の収穫が行われています。産地ではモンスーンシーズンに入り高温多湿な気候となっており、成分値は低く、茎細でブリーチの目立つサマーヘイが多く発生しています。産地では取水制限のためすでに22年産アルファルファの生産を終了した圃場が散見されています。
米国産チモシー 主産地であるワシントン州コロンビアベースンの南部では2番刈の収穫が開始されています。今後コロンビアベースン中部および、北部、エレンズバーグにおいても収穫作業が開始されます。

22年産の1番刈は収穫期の天候に恵まれ中級品以上の発生が多くなったものの、産地相場は馬糧向けを主とする上級品の需要に牽引され中級品から下級品も21年産比で大きく値上がりしています。

輸出業者によると、21年産からの繰り越し在庫が少なかったため、輸出業者は在庫を確保するため1番刈の多くは、生産者と輸出業者の間で契約されているようです。

スーダングラス 主産地であるカルフォルニア州南部インペリアルバレーでは、22年産の収穫が終盤を迎えており、9月下旬には生産を終える見込みです。

現在、産地では気温も高く、低級品から中級品の発生が中心となっていますが、産地周辺だけでなく、アリゾナ州など近隣州でも取水制限が設けられていることから、粗飼料が不足する国内の肥育生産者からの低級品を中心とする引き合いが強く、産地相場を底上げしています。

また9月9日に強風を伴う降雨がありました。降雨量は30mm弱と報道されており、当時収穫作業中であったスーダングラスに降雨被害が出ています。需要が強い中で輸出向けの生産量に影響を及ぼす可能性があり、今後も産地相場には注視が必要です。

カルフォルニア州北部ディクソン地区周辺では8月から本格化した1番刈の収穫は折り返しを迎えています。22年産は旱魃の影響で農産物全体の作付けに影響を及ぼしており、スーダンの作付面積も前年比20~30%程度減少しています。

作況は順調で、収穫期に天候に恵まれたため、これまでに収穫されたものは上級品から中級品が中心となっています。

 

(22年産北カルフォルニア産スーダングラス 8月中旬撮影)

クレイングラス (クレインは全酪連の登録商標です)

主産地であるカルフォルニア州南部インペリアルバレーでは、3番刈の収穫が終了し、一部の圃場では4番刈の収穫作業が開始されています。3番刈の品質は収穫期における高温多湿の影響で茶葉やブリーチの混じったものが多く、また単収を増やすため適期を逃した硬めの茎が多い印象です。

例年クレイングラスは5番刈まで生産されますが、22年産は取水制限の影響を受け4番刈で生産を終了する圃場も多く、生産量の減少が懸念されています。

バミューダ   主産地であるカルフォルニア州南部インペリアルバレーでは、バミューダヘイの生産は現在3番刈の収穫が行なわれています。高温多湿の環境下、ブリーチが混じったものや、茎質のやや堅めな中級品の発生が中心となっています。
ストロー類(フェスキュー・ライグラス 主産地であるオレゴン州ウィラメットバレーでは、22年産のストローの生産が終了しています。収穫期に一部降雨被害があったものの、概ね天候は安定していたことから、品質は例年並みとなっており、収量も生育期に適度な降雨があったことから十分なものと見込まれています。
カナダ産チモシー 主産地であるアルバータ州南部レスブリッジ地区では、1番刈の収穫が終了し、2番刈の収穫が開始されています。1番刈は収穫期に天候に恵まれたことから、中級品から上級品中心の発生となっています。

同州中部クレモナ地区では、7月に降雨が続いたため収穫の開始が遅れたものの、8月は天候に恵まれ、現在22年産の生産を終えています。単収は例年よりも多く、品質も中級品から上級品が中心となっており、下級品の発生は限定的となっています。

米国産の粗飼料(特にチモシー)が高騰しているため、例年以上に日本、韓国からの引き合いが強く、今後の産地相場には注視が必要です。

豪州産
オーツヘイ
8月は西豪州、南豪州、東豪州と全豪的に平年以上の降雨量が観測されました。西豪州では8月最多の降水量を記録し、東豪州でも例年の2倍以上の降雨量となりました。9月以降も雨の日が続く予報となっており、特に東豪州では今後11月まで平年以上の降水量が見込まれています。

22年産のオーツヘイは順調な生育となっています。潤沢な降水量があったことから単収は平年並み以上になることが見込まれています。今後の天候次第では、9月中旬からスケジュールの早い地域で収穫が開始される見込みです。

(左:西豪州のオーツヘイ圃場 右:東豪州のオーツヘイ圃場 共に8月撮影)

豪州コンテナ船情勢 豪州航路の船積は不安定な状況が続いています。輸出量の増加から各港の荷役作業に混乱が発生しており、特に南豪州の主要港であるアデレード港では、本船の到着遅延や空コンテナの不足が発生している状況です。