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輸入粗飼料情勢

 

 

 

(令和3年11月11日発表)

<購買生産指導部 購買推進課>

北米コンテナ船情勢  現在、米国では11月下旬の勤労感謝の日から始まる年末商戦に向けて多くの貨物が輸入されています。この影響で全米最大のコンテナ取扱数量を誇るロサンゼルス港及びロングビーチ港では80隻近い本船が沖合に滞船しています。コンテナ本船は沖合到着からターミナルに接岸するまでに平均2週間程度滞船していることに加え、船社によっては滞船を避けるため、定期便を間引いてスケジュール調整を図っており、船腹予約のキャンセルと1か月近いスケジュールの遅延が恒常化しています。

米国政府は10月に入り年末商戦での品不足による米国経済への打撃を懸念し、両港に対し24時間体制での荷役を命じるとともに、ウォルマートなど大手小売業者に対しても輸入貨物の早期受け入れを目指し、内陸倉庫及び物流の営業時間延長を要請しています。またロサンゼルス港及びロングビーチ港両港は輸入コンテナの滞留を早期に解消するため、11月1日以降船社に対しコンテナ荷役後トラックで輸送するコンテナは9日以上、鉄道で輸送するコンテナは3日以上ターミナルに滞留した場合、コンテナ1本につき1日当たり100ドルの追加料金が課す方針を発表しており、両港の混雑改善に向け各所で施策が実施されています。

日本向けにアルファルファ、チモシーが多く輸出されているPNWのシアトル港・タコマ港でも沖合で10日以上のコンテナ船の滞船が発生しており、各ターミナルも混雑状況が悪化しています。ターミナルでのトラックの待ち時間は3-4時間となっており、これまで工場とターミナル間を1日2回往復できたものが、1往復しかできず、各輸出業者の出荷能力低下を招いています。また今後冬季入り産地とシアトル港、タコマ港をつなぐ国道90号で積雪や路面凍結が想定され、交通麻痺による更なる出荷能力の低下が懸念されています。

ビートパルプ <米国産>
21-22年産ビートは一部の地域では収穫終了しており、作業は終盤を迎えています。単収については総じて良好で、各地1エーカー当たり28.5トン―36.0トン程度と平年並みから地域によっては最大で6トン以上上方修正されています。製糖作業については各工場で生産が続いています。一方、全米では問題となっている労働者不足は各製糖工場も同様に影響を受けており、人員確保の目途は立っておらず、今後の生産に支障を来す懸念が残っています。
アルファルファ <ワシントン州>

主産地であるコロンビアベースンでは4番刈の収穫が終了しました。産地では9月下旬から10月上旬にかけて断続的な降雨がありました。気温も冷涼になり、春先から夏場に比べ乾燥時間が長くなったことから、雨当たりの被害が多く発生しています。このため4番刈は中低級品中心の発生となっております。

西海岸が直面する旱魃の影響により放牧草が不足していることから、米国農務省は代替粗飼料の確保のため影響の大きい酪農、肥育、馬糧に対して助成金の交付を開始しています。これにより内需の購買力は増しており産地相場は依然として上級品から下級品まで高値で推移しています。ントン産3番刈アルファルファ 9月下旬撮影)

 <オレゴン州>
オレゴン州南部クラマスフォールズでは4番刈の収穫を終え21年産の生産が終了しています。8月下旬から3番刈の収穫作業が始まりましたが、産地では9月に入り断続的な降雨があったことから一部で降雨被害も発生しており、また天候の回復を待って収穫作業を開始した圃場は適期を逃し刈遅れとなりました。産地では引き続き厳しい旱魃状況下にあり、農業用水の使用が制限されたことで、21年産の生産量は例年に比べ20-30%程度減少しています。同州中部クリスマスバレーでも3番刈の収穫が終了し21年産の生産を終えています。3番刈の収穫作業は9月上旬から順次開始されましたが、収穫中の降雨の影響で多くの雨当たり品が発生しており、上級品の発生は限定的となっています。

(3番刈アルファルファ 10月撮影 クラマスフォールズにて撮影)

 

米国産
チモシー
 主産地であるワシントン州コロンビアベースンとエレンズバーグでは2番刈の収穫が終了しています。21年産は1番刈から2番刈まで全体を通して、収穫期の天候に恵まれたため、上級品から中級品中心の発生となり、低級品の発生は限定的です。

また西海岸の旱魃の影響でチモシーにおいても米国内需からの引き合いが強く、非灌漑でチモシーを栽培するアイダホ州の大幅な減産の影響もあり、輸出業者によっては必要数量を確保できず、顧客ごとに契約本数を制限する動きも見られます。

スーダングラス  主産地であるカルフォルニア州南部のインペリアルバレーでは、21年産の収穫が終了しています。産地では収穫された全てのスーダンが成約済となっており、余剰在庫はない状況です。21年産は作付面積の減少に加え、生育期の天候の影響を受け例年よりも若干遅い収穫のスタートになったことから、茶葉の混入や、茎のサイズが不安定な品質が多く、良品の確保が難しい年となりました。加えて収穫期後半に複数回の降雨に見舞われたため、下級品においては多くの雨当たり被害が発生し、輸出向け品質の発生が少なく、各輸出業者は日本の各顧客に対して出荷数量に制限を設けています。

カリフォルニア北部でも21年産の生産は終了しています。7月下旬から9月にかけて収穫が行なわれました。21年産は収穫時に少雨があり、いくつかダメージ品が発生しましたが、雨当たり品は国内向けに出荷されています。また旱魃の影響で周辺地域の酪農家、肥育農家において自給飼料が不足しているため、普段は輸出向けしか需要がない上級品も内需向けに高値で取引されています。

クレイングラス (クレインは全酪連の登録商標です)
 主産地であるカルフォルニア州南部インペリアルバレーでは21年産最後の番手となる5番刈りの収穫が行なわれています。秋口になり気温も冷涼になっていることから、上級品~中級品中心に発生しています。他草種に比べ扱いやすい価格帯であったことから、国内外から需要が高まっており産地相場は上昇基調にあります。(5番刈クレイングラス 10月下旬エルセントロにて撮影)
ストロー類  ペレニアル種のライグラスストローは、輸出業者からの引き合いが増している中、低調な作付面積と旱魃の影響を受け、生産は例年に比べ減少しており、産地相場は高値で推移しています。 フェスクストローも米国内需と韓国向けを中心とした引き合いが強くなっており、端境期の在庫不足が懸念されています。
カナダ産チモシー   主産地であるアルバータ州南部レスブリッジ地区、中部クレモナ地区ともに21年産の収穫作業は概ね終了しています。品質は中級品から上級品中心の発生となりましたが、旱魃の影響で例年に比べ生産量は30%程度減少しています。 需要については米国産の手当てができなかった日本、韓国といった輸出向けだけでなく、産地周辺の酪農家、肥育農家からの引き合いは強くなっており、産地相場は高値で推移しています。
豪州産
オーツヘイ
 9月より始まった21年産の収穫は全豪を襲う断続的な降雨の影響で作況に大きな影響が出ています。また冷涼な気候が続き、例年であれば乾燥から集草まで10日程度費やす作業工程が21年産は15日~25日程度を要しており、厳しい条件のなか収穫が進められています。この状況下、21年産の上級品の発生量は例年よりも大幅に減少することが見込まれ、輸出業者によっては各顧客毎に供給数量の割り当てを設ける動きも見られています。

<西豪州>
既にほとんどの圃場で刈取りを終えており、集草作業は折り返しを迎えています。

冷涼な気温のなか、通常以上に乾燥作業に時間を費やされており、断続的な降雨が続いたため、多くの雨当たり品が発生しています。一部で降雨を避けられましたが、適期を逃し収穫されたため、刈遅れ気味の中級品になる見込みです。

<南豪州>
こちらも、ほとんどの圃場で刈取りを終えており、30%で集草作業を終えています。

南部でも断続的に降雨があり、大半が雨当たり品となっており、降雨を避けるために収穫作業を遅らせた圃場もありますが、刈遅れ気味で成分低下が懸念されています。

 

<東豪州>
刈取り作業は後半を迎えており、15%程度の圃場で集草作業を終えています。

冷涼な気候で乾燥作業に例年以上に時間を費やすなか、断続的な降雨が発生し多くの雨当たり品が発生しています。天候の安定を待っている圃場では刈遅れによる成分低下が懸念され、牧草でなく穀物として収穫することを決断する生産者も増えています。

豪州海運情勢について  クリスマス商戦が近づき豪州からの船積みの厳しさが増しています。上海・寧波港では沖合での滞船が増加しており、その数は150隻を超えると言われています。

この影響で一部の船社で東豪州発の本船サービスで日本を含む東アジア向けの寄港を一定期間抜港すること発表しており、船腹予約のキャンセルが増えています。加えて豪州から日本向けの積替港であるマレーシア、シンガポール、釜山でも深刻な混雑が続いており、本船スケジュールが予定よりも1か月以上遅延することが恒常化しています。

豪州航路でも海上運賃の値上げが毎月のように行われています。この1年で3倍程度、海上運賃が上昇しており、豪州産オーツヘイのコストを押し上げています。