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輸入粗飼料情勢

 

 

 

(令和6年5月10日発表)

<購買生産指導部 購買推進課>

北米コンテナ船情勢 北米西海岸航路は乗継航路を含めて主要な本船スケジュールの乱れが続いており、遅延が発生しています。また、日本海側の荒天により乗継地の上海港や釜山港への到着が遅れ、遅延に拍車を掛けている状況です。また、ゴールデンウイーク需要により貨物の増加が見込まれていましたが、ゴールデンウイーク終了後も船腹の調整で影響が出ることも懸念されています。

降水量不足の懸念があるパナマ運河では段階的に船舶の隻数の緩和を行っていますが、通常の隻数には回復していません。また、スエズ運河近くの紅海ではイエメンの親イラン武装組織フーシ派による商業船への攻撃が引き続き発生しており、世界の物流状況の回復までは時間がかかる見込みです。

カナダでは鉄道労働組合(TCRC:Teamsters Canada Rail Conference)とカナディアン・ナショナル鉄道(CN)および、カナダ太平洋カンザスシティ・サザン鉄道(CPKC)の労働協約が2023年12月末日で失効しており、労使交渉が難航しています。現在TCRC側はストライキを承認するための組合員投票を実施しており、承認された場合は5月22日より実施される予定です。ストライキが実施された場合は、貨物列車の遅延や停止によりバンクーバー港にコンテナが滞留し、遅延が発生する可能性があることや、米国のシアトルタコマ港を経由する本船も多いことから注視が必要です。

ビートパルプ <米国産>

主産地であるノースダコタ州やミネソタ州では23-24年産の製糖作業およびビートパルプの生産が5月中下旬で終了する見込みです。例年よりも温暖な気候の中で収穫されたため、砂糖大根に品質劣化が発生し廃棄量が増加する見込みで、生産量の減少が懸念されています。

作付面積については競合作物の相場が良かったこともあり、北中西部地域では20,000~30,000エーカー程度減少しましたが、他地域では前年並の作付面積となっています。

アルファルファ <ワシントン州>
主産地であるコロンビアベースンでは、例年よりも冷涼な気候が続いていましたが、生育は順調で、早い圃場では24年産1番刈の収穫作業が5月上旬より開始されています。米国内の酪農家および中国、サウジアラビアから高成分に対する需要が多く、高値で取引されるため、生産農家は高成分なアルファルファを収穫できるように早刈りすることを考えています。

24年産の作付面積は昨秋の時点で、産地相場の低迷により減少すると予想されていましたが、他作物の相場も低迷したにより、転作を行わない生産農家も多く、前年比で同水準程度の見通しです。

23年産の産地での在庫状況は降雨や降雪により品質が劣化した輸出向けには不適合な低級品のみで上級品在庫はありません。

 

<カリフォルニア州>

カリフォルニア州南部インペリアルバレーでは2番刈の収穫作業が行われています。米国乳価も低迷していることから米国内酪農家は中級品を多少買付している程度で、中国や中東についても積極的な買付は行われておらず、需要は停滞しています。インペリアルバレー灌漑局の発表によると、4月15日時点でのアルファルファの作付面積は145,273エーカー(前年同期は152,888エーカー)と前年同期比95%と減少しています。

米国産チモシー 主産地であるワシントン州コロンビアベースン及びエレンズバーグでは、春先に冷涼な気候が続いていましたが、順調に生育しており、24年産1番刈の収穫はコロンビアベースン南部で5月下旬より開始される見込みです。24年産の作付面積については、昨年の産地相場の下落により前年比でやや減少すると予想されていましたが、豆類に転作した生産農家で期待した利益を得られなかったことから、春先に追加でチモシーを播種したこともあり前年並の見込みです。
スーダングラス 主産地であるカリフォルニア州南部インペリアルバレー灌漑局の発表によると、5月1日時点の作付面積は10,625エーカー(前年同期は20,704エーカー)となっており、前年同期比51%と、この時期としては過去10年間で最低の水準となっています。

23年産の価格が軟化し、日本需要も減少したことで生産農家は十分な利益を出すことができず、作付意欲が低下していることが主要因です。一部では、利益が見込めないことを見越して休耕する生産農家もいるようです。今後、生産は本格化しますが、作付面積は低水準で推移することが予想されています。

23年産の在庫に加え、未だに22年産の旧穀在庫を抱えている輸出業者もいるため作付面積減少による供給力に懸念はありませんが、今後の相場次第では生産より需要が上回ることも考えられるため注視が必要です。

クレイングラス (クレインは全酪連の登録商標です)

主産地であるカリフォルニア州南部インペリアルバレー灌漑局の発表によると、4月15日時点の作付面積は21,451エーカー(前年同期21,983エーカー)となっており、先月に続き、前年同期比98%とやや減少しています。

早い圃場では1番刈の収穫を開始していますが、政府当局からファロープログラム(休耕地政策)の実施有無の判断が遅れていることで、一部の圃場では水入れも遅れています。そのため、全体を通して例年よりも遅い1番刈の収穫になる見通しです。

序盤に収穫された24年産の品質は旧穀の刈り残しや雑草混じりで輸出向けには適さないため、近隣の酪農家および肥育農家向けに出荷されています。今後収穫が本格化するにしたがって良品が発生する見込みです。

バミューダ 主産地であるカリフォルニア州南部インペリアルバレー灌漑局の発表によると、4月15日時点の作付面積は65,462エーカー(前年同期:64,704エーカー)と前年比101%とやや増加しています。早い圃場では収穫作業を開始しており、序盤は例年どおり種子用の生産が中心で、牧草の収穫は夏場から本格化する見通しです。
カナダ産チモシー 主産地であるアルバータ州南部レスブリッジ地区ではチモシーより利益が見込めるジャガイモに転作する生産農家が増えており、24年産の作付面積はやや減少となる

見込みです。また、春先に温暖な気候が続いたことで、土壌の水分状態や水不足を危惧する声も出てきており、干ばつ耐性をもつ菜種や大麦へ転作する生産農家もいるようです。

同州中部のクレモナ地区の作付面積については、産地相場低迷や作付意欲減退によりやや減少となる見込みです。

産地での未成約在庫はなく、輸出業者は繰り越し在庫がないまま24年産を迎える見通しです。

豪州産
オーツヘイ・ウィートストロー
東豪州では1月の降雨により、土壌中の水分が適正な圃場から24年産の播種作業を開始しています。南豪州と西豪州では昨年の秋以降でまとまった降雨はなく、圃場が非常に乾燥していることから生産農家は播種作業を行えず待機している状況です。

輸出業者と生産農家の間でオーツヘイ買付における契約交渉を進める時期ですが、乾燥した気候を加味し、当初の予定よりも契約圃場を増やし供給不足にならないように協議を進めている状況です。

豪州内では、韓国や台湾から強い引き合いが続いています。内需向けについては乾燥が強い西豪州において、自給飼料の不足する生産者からの引き合いが増えています。