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輸入粗飼料情勢

 

 

 

(令和8年10月13日発表)

<購買生産指導部 購買推進課>

海運情勢  8月上旬の台風の影響により、上海やシンガポールなどの主要中継港では、コンテナ滞留と港湾混雑が続いています。中国の国慶節(10月1~7日)を前に駆け込み需要が増加しており、休暇明けには一部航路で船腹余剰が進み、直前での欠航することが懸念されています。10月中旬以降も引き続き、運航スケジュールの乱れやコンテナの積み残し、突発的な入船遅延の発生が続くと予想されています。

また、一部船会社では喜望峰経由からスエズ運河経由へ変更する動きが出てきています。両ルートが混在することによって主要中継港への本船到着が集中し、一時的な混雑を招く懸念があります。ホルムズ海峡や紅海周辺の緊張は依然として続いており、安全面に加え、輸送日数、保険料、燃料費への影響が懸念されている状況となっております。

米国産ビートパルプ  25年産米国産ビートパルプは、米国内および欧州・メキシコ・日本などの輸出需要が強く、生産量も減少したことから完売状態となり、追加買付は難しい状況です。燃料価格の高騰でトラック輸送費も上昇しています。乾牧草や大豆殻の値上がりに加え、米国内の乳製品需要や馬用飼料向け需要も支えとなり、相場は堅調に推移しています。主産地であるレッドリバーバレーでは10月第1週から26年産の本格的な収穫が始まります。25年産同様に米国内需要・輸出需要共に強い状況となっているため、26年産の産地価格は上昇しております。
アルファルファ ■PNW(ワシントン州/オレゴン州)

ワシントン州コロンビアベースンでは3番刈りが終了し、4番刈りが始まりました。3番刈りは乾燥により山火事が発生し、煙の影響でブリーチが目立つスタックもありましたが、全体の作柄は例年並みです。4番刈りは気温低下と降雨により、下級品の発生が見込まれます。

オレゴン州クラマスフォールズでは、5月の霜で1番刈りの単収が減少し、2番刈りも降雨や煙の影響を受けました。一方、3番刈りは降雨前に収穫できた圃場が多く、高品質品が揃っています。4番刈りは前倒しで始まり、後半には高成分品も期待されますが、米国内の需要が強く、高値が見込まれます。両産地とも酪農・肥育向け需要と輸出業者の引き合いが堅調で、当面は高値が続く見込みです。

 

■PSW(カリフォルニア州)

インペリアルバレーの9月15日時点の作付面積は143,036エーカーで、前年同期比104%となりました。この時期の収穫品は高温の影響で成分値が低下し、低級品が中心です。ただし、他産地の干ばつや米国内の酪農・肥育需要を背景に、低級品にも強い引き合いがあります。中国向け需要にも回復の兆しがあり、相場は上昇傾向が続く見込みです。

 

 

 

米国産チモシー 米国産チモシー

ワシントン州エレンズバーグ・コロンビアベースンでは、生育期の嵐の影響で馬・ペット向け上級品の発生が非常に限られ、酪農向けのPremium Dairyや#1 Dairyが中心です。一方、作柄が極端に悪いわけではなく、#2 Dairyなどの下級品も多くありません。ワシントン州東部やアイダホ州の乾地地域は、収量・品質にばらつきがあるものの、全体として例年並みです。

旧穀在庫の繰越と2026年産の作付増加を背景に、新穀相場は全体的に軟化しています。発生量が増えた#1 Dairyは値下がりし、未成約在庫も残っています。一方、上級品が少ないため、最上級のSuper Premium Dairyは中・下級品ほど値下がりしていません。

スーダングラス  インペリアルバレーでは2026年産の2番刈りが終了しました。9月15日時点の作付面積は9,465エーカーで、前年同期比61%に減少しています。燃料・肥料費の上昇、現地価格の低迷、日本からの需要減少を背景に、色抜け品の発生は限定的です。生産農家は単収確保を優先して播種量を減らす傾向にあり、茎の細い上級品も少なくなっています。3番刈りに進む圃場も限られ、年間生産量は前年を下回る見込みです。

サプライヤーには旧穀在庫があるため、日本向け輸出量への大きな懸念はありません。一方、生産コスト上昇や干ばつの影響で低級品需要が高まり、生産者からは値上げを求める声が強まっています。

クレイングラス (クレインは全酪連の登録商標です)

インペリアルバレーでは3番刈りが概ね終了し、4番刈りが始まりました。9月15日時点の作付面積は27,010エーカーで、前年同期比113%となっております。3番刈りは高温により低級品が増えていますが、韓国向け需要に加え、干ばつによる米国内需要も増加しており、買付競争は強まっています。

 

ストロー類(フェスキュー・ライグラス)  米国産ストローの主産地、オレゴン州ウィラメットバレーではグラスシードの収穫が終わり、ストローのベーリングも概ね完了しました。ライグラスは一部の乾地圃場で反収が減少したものの、全体の発生量は例年並みです。韓国向け出荷が順調なため、在庫は引き続きタイトな状況が見込まれます。
カナダ産チモシー 〇レスブリッジ

1番刈りはすべて終了し、湿度の影響で一部にブリーチが見られるものの、大部分は中級品以上です。8月上旬にアルバータ州東部の一部で雹を伴う大雨があり、被害圃場では2番刈りの生育が遅れています。9月下旬から10月上旬にかけての降雨予報を受け、雨を待って収穫が始まる見込みです。

 

〇クレモナ

1番刈りは終了し、多くの圃場で8月の悪天候を避けて収穫できたため、中級品以上が中心となりました。単収・作付面積ともに前年並みで、発生量も平年並みです。一方、ブリティッシュ・コロンビア州の干ばつやアルバータ州北部の大雨を背景に、州内外からの引き合いが増えています。

豪州産オーツヘイ・ウィートストロー  西豪州では9月の降雨不足と気温上昇により生育が早まり、刈取りは例年より約2週間早く始まりました。9月末時点で刈取りは約8割、ベーリングは約1割まで進んでいます。北部の単収は平年並みの見込みですが、中部・南部は降雨不足で平年を下回る、または大幅に下回る見込みです。9月26日以降には広範囲でまとまった雨があり、刈取り済み牧草の一部が雨に当たりました。降雨前にベーリングを終えた牧草は、見た目・分析値ともに良好です。

南豪州とヴィクトリア州では生育期間を通じて降雨に恵まれ、単収は平年並みから大幅増が見込まれます。ただし、収穫はこれから本格化し、10月初旬にもまとまった雨が予報されています。乾燥に時間を要する可能性があり、中・低級品が中心となる見通しです。分析値の高い上級品がまとまった量で生産される可能性は低いとみられます。

豪州国内の牧草市場は低調で、輸出に適さない25年産の旧穀在庫が大量に残り、解消には時間を要する見込みです。また、豪州発および積替港では大幅な遅延や抜港が続いています。中東情勢、アジア各地の台風・暴風雨、燃料価格の高騰が重なっており、年末年始にかけても物流混乱が続く懸念があります。

まとめ  26年10月の粗飼料市況は、産地・品目によって需給が異なっているため、価格の方向性が分かれています。米国産アルファルファやビートパルプは、国内外の需要の強さと生産・供給面の制約から高値が続く見通しです。スーダングラスは作付面積と生産量の減少が見込まれる一方、旧穀在庫が価格上昇を抑えている状況と言えます。米国産チモシーは新穀相場が軟化していますが、上級品は値下がりしにくい状況となっております。豪州産オーツヘイは産地ごとの降雨差が品質・単収を左右しており、加えて海上輸送の遅延も懸念されております。今後は、産地ごとの収穫進捗と品質、旧穀在庫の動向に加え、燃料・肥料費や海運スケジュールを継続的に確認する必要があります。特に輸送遅延を見越した早めの発注と余裕ある納期設定が重要となってきます。