輸入粗飼料情勢 (令和2年4月10日発表)

<購買生産指導部 購買推進課>

北米コンテナ船情勢  4 月にGRI(海上運賃一斉値上げ)を予定していた各船社は、一部で実施日延期や減額をしましたが、概ね1コンテナ当たり$50 から$100の値上げがされています。船腹は逼迫しており5月にもGRIを予定している船会社もあり引き続き注視が必要です。直近の原油価格の下落に伴い、一部の船社ではLow Sulphur Fuel Compliance Charge (低硫黄燃料追加料金)などの調整金を1コンテナあたり$10から$25ほど減額する動きがありますがGRIの値上げ幅の方が大きく運賃には反映できていない状況です。  
 米国西岸各港での空コンテナの不足は続いており特にPNWではハイキューブコンテナの確保が難しい状況です。  
米国乳価状況   米国ではCOVID-19の影響で学校やレストランが閉鎖しており乳製品の需要は減退し在庫過多により操業を中止する乳製品工場も出ています。この状況下多くの生産者で生乳の減産を強いられています。USDA(米国農務省)の発表によると4月の全米平均クラスⅢ乳価は国内及び世界的乳製品の需要減少を受け100ポンドあたり$13.07と前月比20%下落しています。 



(出典:USDA 全米平均クラスⅢ乳価 単位:米国ドル/100ポンド)
ビートパルプ <米国産>
 19年産ビートパルプの生産は概ね終了しています。唯一生産を続けているノースダコタ州ミンダック工場も5月上旬には終了する見込みです。
 20年産は現在各地域で播種が進められています。主産地であるノースダコタ州レッドリバーバレー地区では雪解けや天候不順により、播種の進捗が遅くなっております。その他の地域では3割~9割までの進捗となり播種の状況に大きな差が出ているものの、20年産のビートパルプの作付面積は昨年対比11,000エーカー程増加する見込みとなっています。
アルファルファ ワシントン州
 主産地コロンビアベースンではアルファルファの生育は順調に進んでいます。コロンビアベースン南部では一部の生産者で4月下旬から1番刈の収穫作業を開始しています。多くの生産者は5月上旬から中旬にかけて収穫作業を開始する予定で、順調にいけば6月から出荷開始される見込みとなっています。


 (アルファルファ圃場 コロンビアベースン中部 5月上旬撮影)

  オレゴン州
 オレゴン州南部クラマスフォールズでは旱魃傾向にあります。アルファルファの生育状況は例年並みとなっており、このまま順調にいけば6月上旬から収穫作業が開始される見込みです。オレゴン州中部クリスマスバレーも順調に生育しており6月中旬頃から収穫作業が開始する見込みとなっています。
   カリフォルニア州
カリフォルニア州南部インペリアルバレー及びアリゾナ州では1番刈の収穫作業が終了しております。
 インペリアルバレーでは3月下旬から4月上旬にかけて断続的な降雨があったため1番刈で雨当たりや刈遅れ、雑草混入の圃場が多く発生しています。収穫作業を中断せざる得ない状況が続いたため、例年ではこの時期すでに3番刈の収穫を行っていますが、現在2番刈の収穫中と生産に遅れが出ている状況です。気温は4月下旬から上昇しており最高気温40℃近い日が続いているためアルファルファの分析は徐々に落ち始めています。サウジアラビアや中国が求めるRFV180以上の上級品アルファルファの需要は堅調ですが、直近で収穫されたものはRFVが170台のスタックが大半で、今後は両国の要求を満たす品質の生産は限定的となります。
 産地の相場については上級品の発生が限られていることに加え、米国内の乳価下落に伴い引き合いは軟調であるため昨年同時比でやや弱含みで推移しています。


 カリフォルニア州北部ディクソンでは4月下旬から1番刈の収穫が開始しており作業は本格化しています。すでにベーリングを終えた圃場もあり高成分品も発生しています。内需からの引き合いは低調な乳価の影響で例年に比べ弱いものの、繰り越し在庫がないため必要最低限の取引が行われています。相場としては昨年同期比でやや軟調に推移しています。他方でカルフォルニア中部から北部にかけてここ数年、アルファルファから水の要求量が少なく相場の良いアーモンドへの転作が顕著であるためアルファルファの生産量が減少しています。今後の作況次第では相場が盛り返す可能性もあるため注視が必要です。


(1番刈アルファルファ 北カリフォルニア州産 5月上旬撮影)
 
米国産
チモシー
 生育状況は現在のところ順調で、主産地であるコロンビアベースンでは5月下旬から、エレンズバーグでは6月上旬から1番刈の収穫が開始する見込みです。
 産地のサプライヤーによると作付面積についてはエレンズバーグでは例年並みの28,000-30,000 エーカーと予想されていますが、コロンビアベースンでは昨年相場が下がりチモシーから他の換金作物に転作されたことや、播種後の強風によりチモシーの作付けが成功しなかったことで前年比25%減少の60,000.エーカー程度の作付けになると予想されています。
スーダングラス  主産地であるインペリアルバレーでは春先の冷涼な気候と降雨により、播種の進捗が例年より3週間ほど遅れています。産地灌漑当局の発表によると4月1日付けの作付面積は10,831エーカーと低調でした。その後盛り返しを見せ5月1日時点では34,416エーカーと昨年並みの面積まで回復しています。20年産の収穫については早い圃場で5月中旬頃から開始される予定ですが、播種の遅れの影響を受け6月から作業は本格する見込みです。19年産の産地在庫は非常に限らており、日本からの引き合い次第では今後産地相場は堅調に推移する事が予想されています。

         スーダン圃場 インペリアルバレー 5月上旬撮影 
クレイングラス (クレインは全酪連の登録商標です)
 産地灌漑当局の発表によると4月15日付けの作付面積は22,176エーカーと過去最高であった19年産よりも増加しており昨年同期比109%と伸長しています。
 産地では20年産1番刈の収穫が開始しています。スケジュールの早い生産者では4月中旬より収穫を開始しており、すでに1番刈の60%ほどベーリングを終えています。作況は生育期の多雨により多くの1番刈で雑草混入が見られ作付けが増加しているものの良品の発生は限定的となる可能性があります。
 一部で19年産の低級品の在庫がまだ散見される事や作付面積の増加を鑑みると今後の日本及び韓国の需要及び作柄次第では、産地価格が弱含む可能性があります。  
ストロー類 (フェスキュー・ライグラス) 
  USDA(米国農務省)発表の20年オレゴン州のライグラスとトールフェスクの総作付面積予測は、329,000エーカーとなっています。19年の331,000エーカーからわずかに減少する見込みとなっております。繰り越し在庫も限定的であるため産地相場は堅調に推移しています。
カナダ産チモシー   20年産の作付面積につきましては、19年産とほぼ同水準になると予想されています。19年産の出荷は順調で需要についても日本及び韓国を中心に強い引き合いがあり繰り越し在庫なく20年産に移行することが見込まれています。
豪州産
オーツヘイ
 /ウィートストロー
 東豪州では播種がスタートしています。東豪州~南豪州では播種前に潤沢な降雨があったため、適度に土壌水分を含んでおり恵まれた播種期を迎えています。西豪州も同様播種をスタートしていますが、こちらの地域では播種前に降雨がなかったことから、乾燥した状態の土壌で播種が始まっています。直近雨予報が出ており産地に潤沢な降雨をもたらすことが望まれています。   



    オーツヘイの作付けを終えた圃場では発芽も見られる。 東豪州 5月上旬撮影
 豪州コンテナ船情勢  経済の減退を受け豪州への本船の運航キャンセルが多く見受けられ、船腹は逼迫しており船積み予約が取り辛い状況です。空コンテナ不足が一部の地域で発生しており、船積みスケジュールに合わせるためにサプライヤーによっては他の港からコンテナを横持ちし出荷の準備をしています。
  またCOVID-19の影響で国内外のサプライチェーンが乱れており、作付けを前に産地の一部の生産者によっては除草剤や肥料など生産資材調達に滞りが見られています。