輸入粗飼料情勢 (令和2年10月12日発表)

<購買生産指導部 購買推進課>

北米コンテナ船情勢  PNW(シアトル港、タコマ港)では台風や経由地バンクーバー港の混雑の影響を受け本船の運航スケジュールに乱れが出ています。この遅れを挽回するために、10月に入り神戸港への抜港を決めた本船も出ています。 前号で報告の通り中国をはじめとしたアジア諸国から北米向けのコンテナ輸出量は回復しており、本船の船腹が逼迫しているためアジア発米国向けの航路の運賃は上昇しています。この状況下、アジア各港で輸出に活用する空コンテナが不足しています。各船社コンテナをアジアに送るため航路によっては北米発日本向け貨物に対する運賃の値下げ調整の動きも一部で見られますが、秋口以降GRI(海上運賃一斉値上げ)を予定している船会社もあるため、引き続き海上運賃については注視が必要です。
米国乳価状況   9月30日にUSDA(米国農務省)が発表した9月の全米平均クラスⅢ乳価は、乳製品100ポンドあたり$16.43と、高値を付けた7月の$24.54からこの3ヶ月で$8.11下落しています。米国ではCOVID-19の混乱が続くなか、宅配ピザ向けの需要は好調なものの、外食産業向けの需要は依然として低迷しており引き続き不安定な乳価となっています。  


        (出典:USDA 全米平均クラスⅢ乳価 単位:米国ドル/100ポンド)
ビートパルプ <米国産>
 主産地ノースダコタ州の収穫作業は順調に進捗しており、およそ20%の収穫が終了しています。単収は平年並みからやや高い水準となっており、産地近郊の製糖工場では収穫されたビートの加工作業が開始しています。ミネソタ州ではここ2年ほど天候不順による不作が続いていましたが、今のところ天候は良く収穫作業はノースダコタ州同様およそ20%が終了しています。 
アルファルファ ワシントン州
 主産地コロンビアベースンでは4番刈が収穫されており南部では終盤を迎えています。9月中旬よりワシントン州でも西海岸全域に広まったカルフォルニア州で起きた大規模な山火事の影響が出ています。産地では空が山火事の煙に覆われた日が続きました。太陽光が遮られ、日照がなく気温が低下したことから、通常以上に刈り取り後の乾燥に時間を要し4番刈の多くが程度は様々なブリーチの入った品質となり、色目の綺麗なアルファルファの発生が限られることが予想されています。3番刈は山火事発生前の8月下旬に収穫作業を終了したため影響はなく、色目は綺麗に仕上がっていますが、収穫当時気温が高く、夜露が降りづらい環境下でのベーリング作業となったため総じてドライ目な品質となっています。  産地の中級品相場は落ち着いているものの、高成分の上級品に関しては4番刈が20年産の最後の収穫となるため、内需及び輸出業者による買付が旺盛に行われています。



       (3番刈アルファルファ(左)山火事の煙で空が霞む(右) 9月中旬コロンビアベースンにて撮影)
  オレゴン州
  オレゴン州南部クラマスフォールズでは3番刈の収穫作業が終了しました。産地では順調に収穫作業が進んだため、9月下旬より4番刈の収穫作業を開始しています。3番刈は山火事の影響を受けていないため品質は良好です。 同州中部クリスマスバレーでは3番刈の収穫作業が終了しました。3番刈の品質は若干乾燥気味ではあるものの、色目は綺麗です。ワシントン州同様、高成分の上級品については内需及び輸出業者の引き合い強く、産地相場は高値のまま推移しています。

   ネバダ州・ユタ州
 ネバダ州北部ウィナマッカ地区では3番刈の収穫が進行中です。一部の圃場で降雨被害がありましたが収穫は概ね順調に進んでいます。産地では暑い日が続いており3番刈での高成分な上級品の発生量は限定的です。同州西部イエリントン地域では4番刈が収穫されています。適期に収穫ができたため高成分品も発生していますが、高水分なものが多く、これらは内需向けに販売されます。
   カリフォルニア州
 カリフォルニア州南部インペリアルバレーでは6番刈の収穫が行われています。引き続き茎が硬く成分の低い輸出には不向きな品質が中心に発生しています。  
米国産
チモシー
 主産地であるコロンビアベースンでは2番刈の収穫作業が終了しています。 2番刈は収穫期の天候が安定していたことから、作況は例年並みとなっています。 産地では20年産の作付面積が昨年比で減少していましたが1番刈収穫後、更に他の換金作物へ転作を行った圃場もあり、2番刈の生産量は昨年よりも減少しています。1番刈の作況が芳しくなかったことから、ペットや馬向けといった米国内需および海外からの馬向けの引き合いは強く、2番刈の相場は1番刈同様19年産に比べ上昇しています。



      (2番刈上級品チモシー 9月中旬撮影)
スーダングラス  主産地であるインペリアルバレーでは20年産の収穫は終盤を迎えています。産地では現在2番刈の収穫を行っており、茎の太い低級品中心の発生となっています。 もう一つの産地であるアリゾナ州ユマではすでに20年産の収穫を終えています。20年産は天候の影響で収穫開始が遅れたため、ほとんどの生産者で冬野菜の生産準備のため1番刈でスーダンの生産を打ち切り、2番刈の生産を行いませんでした。産地では例年に比べ低級品の発生が少なく、地元肥育農家からの引き合いが強いため、価格は強含みで取引されています。
クレイングラス (クレインは全酪連の登録商標です)
 20年産の収穫は終盤を迎えており、産地では5番刈、生産者によっては6番刈の収穫が行われています。気温が例年以上に高く、9月中旬以降も最高気温が40℃近い日が続いており、茎の硬い中級品から下級品中心の発生となっています。これらの品質は需要が低く、生産農家にとって魅力的でない価格のため、いくつかの生産農家では生産コストを抑えるために圃場への水やりを止めています。10月中旬には20年産の生産を完了する見込みです。 
ストロー類 (フェスキュー・ライグラス) 
 主要産地のウィラメットバレーでは、アニュアル種、ペレニアル種のライグラスストローとフェスクストローの収穫が終了しています。収穫期間中は好天に恵まれ良品が発生しています。
 産地の多くの輸出業者で19年産からの繰り越し在庫を持ち合わせておらず、在庫の確保及び工場を稼働させるため、各社旺盛に買い進めており、産地相場は堅調に推移しています。 
カナダ産チモシー   主産地であるアルバータ州南部レスブリッジでは1番刈の収穫が終了し2番刈の収穫が開始されています。1番刈は収穫期に天候が安定したため上級品から下級品までバランスよく発生している印象です。  
 非灌漑エリアである同州中部のクレモナは20年産の収穫を終えています。多くの圃場で降雨被害を避けることができたため、良品の発生が期待されていましたが、茶葉の混入が多く、大半が中級品以下になることが見込まれています。  
豪州産
オーツヘイ
 /ウィートストロー
 西豪州 9月中旬からオーツヘイの収穫が開始されており、半数近くの圃場がすでに刈り取りされベーリングが順次始まっています。序盤一部の地域で乾燥中に降雨被害があったものの大半が降雨後に収穫されています。西豪州では生育期の降雨が少なかったため平均単収は4トン/ヘクタールになる見込みで、これは例年よりも20%程度少ない収量となります。



    (乾燥中のオーツヘイの圃場(左)工場へ搬入された新草(右) 西豪州にて 9月下旬撮影)

南豪州
 9月序盤は温暖な気候も手伝い生育は良かったものの、中旬以降気温が低く降雨もあったため収穫に遅れが生じています。スケジュールの早い一部の地域で9月下旬から収穫が開始されていますが、10月上旬は雨予報が出ているため、多く生産者が天候を見ながら収穫開始することになります。単収については、すでに収穫が開始されている地域では平年を下回るものの、その他の地域では平年並みの5トン/ヘクタール程度になる見込みです。  
東豪州
  一部の地域で刈り取りが開始されています。10月上旬に短期的に降雨の予報があるため南豪州同様、状況を見て収穫が本格化する見込みです。単収は生育期に適度な降雨があったため、平年並みの5トン/ヘクタール程度になる見込みです。  



         ~10月5日発表 豪州における前週の降雨量~
          (オーストラリア気象局HP より引用)

豪州コンテナ船情勢     豪州港湾ターミナル大手パトリック社と港湾労働者組合の間で労使交渉が行われており、交渉は長引いています。この影響で東豪州の港で労働者側による作業停止や荷役の遅延行為が行われ本船スケジュールに遅れが出ています。本船によっては2-3週間の遅れが出ています。