輸入粗飼料情勢 (平成30年4月6日発表)

<購買生産指導部 購買推進課>


北米コンテナ船情勢  大手海運会社の2017年の経営状況はGRI(海上運賃一斉値上げ) による運賃水準の回復および世界経済の回復に伴うコンテナ輸送量の増大により2016年と比較すると大幅に改善しています。一方で、海上運賃の水準は歴史的にみると依然として低水準であり、今後も海上運賃は強含みに推移していくと予想されます。また、大手海運会社の経営状況は回復傾向にありますが、依然として海運業界全体の経営環境は厳しい状況と言え、海上運賃の低迷が長期化するようであれば、さらなる業界再編も進んでいくものと見られています。 
ビートパルプ <米国産>
 新穀の作付けは、アイダホ州など早い地域で3月末よりスタートしました。日本向け主力地域であるミネソタ州やノースダコタ州では例年通り4月中旬からスタートの見込みですが、今冬は平年よりも気温が低かったため、多少遅れる可能性があります。今後、大きな天候の影響がなければ5月中旬には全米各地で作付けが終了する見込みです。現時点では、総じて土壌水分は特に問題はなく、作付けの増減に影響を及ぼす要因は特に見当たらない状況で、生産量の変動はごくわずかとなる見込みです。
 旧穀の製糖/ペレット生産は間もなく終了する見込みです。昨年は春先の温暖な気候のために廃棄せざるを得ない原料の砂糖大根が大量に発生し、シーズン終盤での減産幅が大きくなりました。今年は前述の通り、低温が続いたため原料のロスは限定的なようですが、新穀まで余剰在庫はない状況です。
アルファルファ ワシントン州
 米国内向け、輸出向けともに需要は引き続き堅調で、旧穀の在庫は昨年に比べて少なく、産地在庫については低級品を除きほぼ成約済みの状況となっています。特に米国内の酪農家および肥育農家からの引き合いが強く、産地の繰越在庫はほぼない状態で新穀に移行する見込みです。
18年産の作付面積については、17年産の相場低迷を受け、5~10%程度減少する見込みです。現在のところ、アルファルファの生育は順調に進んでおり、例年並みの5月上旬~中旬頃から1番刈の収穫が始まる見込みです。
 
   オレゴン州
18年産の作付面積は、17年産と比較して大きな変動はない見込みです。当地では生産農家の世代交代が進んでおり、引退する生産農家の既存圃場を買い取って規模を拡大している事例が増えてきているようです。
カリフォルニア州
 カリフォルニア州南部、インペリアルバレーでは1番刈の収穫が進んでおり、早い圃場では2番刈の収穫も始まっています。1番刈は通常、水分含量が高く、輸出向けに適さない品質のために主に米国内向けとして消費されますが、高成分の良品が多数収穫されていることから、特にサウジアラビアが自国の需要量を賄うために、高品質から低品質なものまで積極的に買付を行っており、産地相場を牽引しています。
 中国からの需要については、新穀の1番刈への需要は大きくはありませんが、安価な旧穀の中~低級品への引き合いは非常に旺盛な状況です。米国内酪農家は、買付・契約済みの在庫が少ない中、乳価の低迷の影響もあり手前の必要量のみ確保している状況ですが、それでも引き合いは堅調と言えます。
 産地相場は輸出向けの旺盛な需要に牽引され、昨年同時期と比較して大幅に上昇しています。今後、他地域および他産地の相場にどう影響していくか、注目されるところです。
 カリフォルニア州中~北部では、アルファルファの作付面積は減少する見通しです。カリフォルニア州全体で見ると、水源となる山間部の積雪量は例年並みであったものの、平野部では冬期の降水量は少なく、灌漑に使用できる農業用水も将来的には減少するものと見込まれています。また、当地では引き続き生産農家にとって利益が多いアーモンドやピスタチオなどのナッツ類への転作が増えており、これらの要因によりアルファルファの作付面積が減少していると思われます。  
米国産
チモシー
 17年産の産地在庫は、低級品については一部未成約のものもあるようですが、高級品についてはすべて成約済となっており、追加買付は難しい状況です。
 18年産については、昨年からの産地相場の高騰を背景に、作付面積は前年比10%程度増加する見込みです。作付面積が増加していることから、高止まりしている産地相場についても、新穀については軟化することが期待されます。
 日本および韓国からの需要は、これまでの輸入過剰の影響を受け、2月の輸入量は昨年同月比で大きく減少しています (日本:19,353トン/月、前年同月比:83%、前月比:106%)。今後、新穀に向けて産地および国内の需給動向を慎重に見極めていく必要があります。
カナダ産
チモシー
 日本および韓国からの需要は引き続き堅調であり、産地在庫はすべて成約済となっており、今後は新穀まで成約済みの在庫を繋いでいくこととなります。
 カナダ産チモシーの主要な積出港であるバンクーバー港では引き続き荷役作業の遅れが発生しており、また、冬場の荒天の影響も相まって、本船スケジュールの遅れや船積みスペースの不足感が続いている状況です。このため、船積みに遅れが通常よりも多く発生している状況です。
スーダングラス  日本からのスーダンの需要は引き続き堅調です。17年産の産地在庫については、高級品についてはすべて成約済、中~低級品については若干未成約の在庫はあるようです。このため18年産は、前年と同様、繰越在庫がほぼ無い中でスタートとなりそうです。
 4月2日付の作付面積は、前年同月比156%と増加傾向となっています。小麦の相場が低迷しているため、スーダンの作付けに切り替えている圃場が増えているようです。いわゆる早播きスーダンの作付面積が増えていることから、例年よりも上級品の発生割合が増えることが期待されます。一方で、種子の供給力がやや不足していること、新穀の相場次第では1番刈で生産を中止する圃場も一定量発生することから、最終的な作付面積は昨年並みの43,000~45,000エーカー程度になるとの見方も出ています。
 米国産チモシーの作付面積の増加していることに加え、17年産の高値から需要も徐々に減退していることから、新穀の相場は弱含むと予想されています。このため、18年産スーダンの産地相場もその影響により弱含むと期待できますが、17年産の余剰在庫が限定的な状況で、日本からの新穀の買付意欲が必要以上に高まると、思わぬ高値展開になることも考えられます。




インペリアルバレー スーダン作付面積(2018年4月2日時点) 単位:エーカー
クレイングラス (クレインは全酪連の登録商標です)
 日本および韓国からの需要は引き続き堅調に推移しています。17年産の産地在庫についてはすべて成約済で、新穀の出荷待ちといった状況です。
 3月15日付の作付面積は前年同月比28%の増で、増産が期待できそうです。現時点では新穀の生育は順調に進捗しており、早い圃場では4月中旬頃から収穫が始まる見込みです。
 作付面積が増加することで産地相場が軟化することが期待される一方、日本および韓国からの新穀への過剰な引き合いが相場の高騰を招く恐れがあり、今後の産地相場を注視していく必要があります。




インペリアルバレー クレイングラス作付面積(2018年3月中旬時点) 単位:エーカー
 
ストロー類 (フェスキュー・ライグラス) 
   日本および韓国からのストロー需要は引き続き堅調に推移しています。年明け以降、韓国の自給粗飼料が豊作であった為、新穀以降の相場軟化を回避したい生産農家が、利益確保を目的に各サプライヤーへ在庫を売り始め、成約が進んだことで、今後の追加買付は難しい状況です。このため、供給余力は限られた中で堅調な需要を背景に産地価格は、高止まりのまま新穀まで推移していく見込みです。
豪州産
オーツヘイ 
 日本、中国および韓国からの需要は引き続き堅調で、各サプライヤーとも出荷は順調に進んでいるようです。
 2017年の中国向け豪州産オーツヘイの輸出量は30万トンを超え、日本に次ぐ数量となっています。単月毎で見ると、日本より輸入量が多い月も出て来ています。現在のところ、中国からの需要は安価な中~低級品に集中する傾向があり、日本からの需要とは棲み分けができている状況ですが、今後の動向については引き続き注視していく必要があります。
 産地相場については、北米産の新穀がスタートする前で大きな材料も無いことから、 値動きは限定的と言えます。



豪州産オーツヘイ類 出荷先別推移(2017年1月-12月) 単位:トン

                                                                    以上