輸入粗飼料情勢 (平成30年6月8日発表)

<購買生産指導部 購買推進課>


北米コンテナ船情勢  北米西海岸発アジア向けの航路では、邦船3社のコンテナ輸送部門の統合に伴い、一部混乱が起きており、他船社へブッキングが集中しています。この影響で、特にバンクーバーやシアトル、タコマ出港分で遅延が散見され、ブッキングが集中しているいくつかの船社は、6月1日付のGRI(海上運賃一括値上げ)を実施しています。また、原油価格の上昇から、各船社、燃料コストも上昇しており新たなチャージを設定する動きが見られます。さらには、一部の船社では7月1日付のGRIを通知しており、今後、燃料コストも含めた海上運賃は上昇していく見込みです。
 プサン経由の日本向け航路についても、遅延が多くなっています。韓国では今年1月から自国内の船会社でアライアンスを形成し、近海航路中心に、これまで各社で運航していたサービスの整理及び集約を始めています。このため、以前よりもサービスの総数が減少しています。現在のところ日本向けでは、特に北海道へのフィーダー船において、慢性的に1~2週間の遅延が発生している状況で、今後のスケジュール遅延の回復見込みについては目途が立っていません。
ビートパルプ <米国産>
  ほぼすべての工場で2017/18年産の生産を終了しています。既報の通り、一部地域の収量が期首の想定を下回ったこと、また、一部工場の乾燥機不具合の影響もあり、ビートパルプの生産量は当初予想よりも約30,000トン低くなりました。
 新穀については、春先の低温や降雪の影響で予想よりも作付の開始が遅れましたが、その後の天候回復で持ち直し、5月末段階で日本向け主力のミネソタ州及びノースダコタ州ではほぼ作付を終えています。発芽や初期生育に必要な土中水分も適度にあり、作付を終えた現段階においては順調と言えます。作付面積は概ね昨年並みで、平均的なクロップを予想しています。今後は、生育期の天候に注目する必要があります。
 米国内の市況については、米国内の牧草の在庫が極めて低い水準にあること、また、昨年のハリケーンの影響から東海岸では柑橘類系の副産物が不足していることから、競合する繊維源の不足感が強く、ビートパルプへの引き合いは旺盛と言えます。
アルファルファ ワシントン州
 主産地コロンビアベースンでは1番刈の収穫作業が後半を迎えています。 コロンビアベースン南部では、早い時期に刈り取りしたものについては、湿度が高い時期であったことからブリーチや変色が見られるものが多く発生しているようです。それ以降のものは色目を重視し、刈り取りを遅らせたことから成分値が低い傾向にあるようです。 コ
 ロンビアベースン中部では、刈り取り時期に好天が続いたため、見た目が良く、高い成分のものが多く発生しています。一方、北部では一部で雨あたりが発生しています。さらには、この降雨を避けた圃場の一部では、刈り遅れの傾向となっています。 産地価格については、旧穀の在庫の繰り越しが少ないことに加え、PSW(米国西海岸南部)の価格上場を受けて、昨年に比べ高値で取引が開始されています。
 
   オレゴン州
 オレゴン州南部クラマスフォールズでは1番刈が始まったところで、現在進捗は10%ほどです。直近の天候が不安定なことから、収穫が本格化するのは天候回復後となる見込みです。作付面積に大きな変化はありません。既報の通り、灌漑水不足の懸念はあるものの多くの圃場が地下水を利用しているため、深刻な問題にはならないと考えられます。
  中部クリスマスバレーでは、ごく一部の圃場で1番刈の収穫が始まっていますが、6月中旬から下旬にかけて本格化する見込みです。生育状況は例年通りで作付面積も前年並みと見られています。
 産地相場は収穫が始まったばかりで特筆すべき動きはありませんが、他産地の相場が軒並み上昇していることから、当地においても昨年に比べ高値でスタートするものと予想されます。
 
   ネバダ州/ユタ州
 ネバダ州西部のイエリントン周辺では1番刈が終盤を迎えています。5月中~下旬にかけての断続的な雨でいくつかの圃場が降雨被害にあっているようですが、全体としては概ね例年並みの作柄と見ています。ネバダ州のその他の地域では1番刈の収穫が始まったばかりです。
 ユタ州の1番刈は天候に恵まれ、安定した作柄になりそうです。このため、州内外からの買付も旺盛で、他産地と同様に昨年に比べ高値で取引が進んでいます。
カリフォルニア州
 カリフォルニア州南部インペリアルバレーでは3番刈が終盤を迎えています。現地では既に日中の最高気温が華氏110°F以上(摂氏43℃以上)まで上がっており、成分値が低い中級~低級品の発生が中心となっています。
 産地価格については、中東や中国の積極的な買付けにより、昨年に比べ高値での取引が続いていますが、今後は中級~低級品のアルファルファの発生が増えていることから、当初の相場よりも軟化してくる見込みです。
 カリフォルニア州中部サンフォアキンバレーやアリゾナ州など他産地でも収穫が本格化しています。国内向け、輸出向けともに買付が各産地に分散してきていることから、相場は徐々に軟化してくることが期待されますが、依然として需要は堅調なため、産地相場は昨年よりも高値で推移していくものと思われます。
   
米国産
チモシー
 コロンビアベースンでは5月下旬から一部の圃場で収穫作業が開始されており、早いところではベーリング作業まで進んでいるところもあるようです。収穫は6月上旬から本格化する見込みです。エレンズバーグ周辺においても、早い圃場では6月上旬から収穫が始まる見込みです。
 日本、韓国および中東からのチモシーの引き合いは引き続き堅調に推移しています。産地相場は、まだ形成されておりませんが、作付面積は17年産比で10%程度増加しており増産が予想されていることから、昨年と比べ軟化することが期待されます。
カナダ産
チモシー
 17年産は日本および韓国からの需要は引き続き堅調であり、産地在庫はすべて成約済となっています。
 18年産については、南部レスブリッジ地区では17年産の産地相場が生産農家にとって満足できるレベルであったことから、穀類からチモシーへの転作が進み、作付面積は17年産比で10%程度増えているようです。中部クレモナ地区では、作付面積は前年並みと見込まれています。今冬から今春にかけての気温は、例年並みからやや低かったようですが、新穀の収穫は例年並みの7月上~中旬以降に始まると予想されています。
スーダングラス  6月1日時点の作付面積は前年同月比115%となっています。小麦および野菜相場の低迷、休耕地プログラム終了に伴い、生産農家の作付意欲が増していることが要因と推測できます。
 新穀の収穫は例年並みの5月中旬から開始されており、5月末以降から本格化しています。作付面積が増加していることに加え、種子価格が高騰していることから、例年よりも播種量を減らして作付けされている圃場が増えています。このため、細めの茎が揃った上級品の発生は例年並みかやや少なく、中~低級品の発生が多くなると予想されています。
 産地相場については、生産量が増える見込みから、昨年よりも弱含んでくると予想されています。また、上級品に比べ中~低級品の発生量が増加する見込みであることから、上級品とそれ以外の価格差は例年よりも広がる可能性があります。



インペリアルバレー スーダン作付面積(2018年6月1日時点)単位:エーカー



18年産スーダングラス(5月下旬撮影 エルセントロ

クレイングラス (クレインは全酪連の登録商標です)
 5月15日時点の作付面積は前年同月比で133% となっており、増産が期待できる状況です。収穫は4月下旬より開始されており、すでに1番刈の収穫は終了し、現在は2番刈の収穫が進んでいます。1番刈の作柄は収穫期の天候にも恵まれたことから、良品の発生が中心となっています。
 韓国からの引き合いは引き続き旺盛で、良品のみならず、雑草混じりの低級品も高値で取引されています。このため産地相場は、昨年の同時期に比べ高値で推移している状況で、生産農家は単収を追う可能性が高く、今後の品質面の低下が懸念されます。
 2番刈以降の相場展開としては、収穫が進むにつれ供給力が増し、他の禾本科牧草も生産の最盛期に入ることから、相場は徐々に弱含んでくるものと予想できますが、 今後の天候や日本・韓国の需要動向によっては、予想外の動きも十分考えられるため引き続き注視が必要と言えます。



インペリアルバレー クレイングラス作付面積(2018年5月中旬時点)単位:エーカー



                    18年産クレイングラス(5月下旬撮影 エルセントロ)

 
ストロー類 (フェスキュー・ライグラス) 
 日本および韓国からのストロー需要は引き続き堅調に推移しています。旧穀はすべて成約済みとなっています。堅調な需要と産地在庫はほぼ成約済みであることを背景に、産地価格は現行価格から下がることなく、新穀まで推移していく見込みです。
 新穀の状況ですが、今のところ天候等、生産に関して大きな問題は発生しておらず、例年通り7月上旬頃から収穫が始まる見込みとなっています。
   
豪州産
オーツヘイ 
 オーツヘイへの需要は日本のみならず中国、韓国および台湾から引き続き安定的で、各サプライヤーとも出荷は順調に進んでいるようです。このため、各サプライヤーの出荷スケジュールもかなり先まで埋まってきており、一部サプライヤーでは期近のオーダーが受けにくい状況となっています。
 産地では早くも4月下旬から18年産の作付けが始まっています。播種後に降雨がなく、乾燥した気候が続いたため初期段階での成育不良が心配されましたが、5月下旬以降に各産地でまとまった降雨があり、深刻な懸念は解消されています。
 作付面積は、東豪州および南豪州は17年産の相場が良かったことから前年並みとなる見通しです。西豪州については降雨被害の影響で17年産の相場が低迷したことから、大麦、小麦、菜種など、他の作物への転作も増えているようです。このため、18年産の作付面積については前年比で減少するものと予想されています。



豪州産オーツヘイ類 出荷先別数量推移(2017年4月-2018年3月)単位:トン



2018年5月の豪州各地の積算降水量(オーストラリア気象局HPより引用)
                                                                    以上