輸入粗飼料情勢 (平成30年8月7日発表)

<購買生産指導部 購買推進課>


北米コンテナ船情勢  先月号でもお伝えした通り、7月に入って各船社はGRI(海上運賃一斉値上げ)やE-BAF(緊急燃料調整費)の導入を決行しています。このため、8月中のGRIはごく一部の船社からのみの通知となっています。しかしながら、航路や船腹の調整が進むにつれ、海上運賃の修復を図る動きは、今後より活発になると予想されています。
 また、LA/LB(ロサンゼルス・ロングビーチ港)おいて、8月から導入される予定だったピアパス(港の周辺の混雑を緩和するため日中のみ搬出入時に課金する制度)の終日適用については、10月以降に延期されました。
ビートパルプ <米国産>
 2018年産新穀の収穫は8月中旬から9月にかけて全米各地でスタートする見込みです。春先の低温の影響により作付けの遅れが見られましたが、その後の天候は回復しています。日本向け主産地のミネソタ州及びノースダコタ州では、当初予想よりも作付面積は減少していますが、生育期に適度な降雨もあり収量は概ね例年以上になる見込みです。収穫作業は8月中旬頃から開始される予定です。
 新穀の価格は、米国内からの引き合いや世界的なビートパルプ相場が極めて堅調であることから、昨年に比べ大幅な上昇となる見込みです。
   <ヨーロッパ>
  ヨーロッパでは、極度の旱魃と高温の影響で小麦の主産地であるフランス、ドイツ、ロシア、ウクライナでは減産及び品質低下懸念が強く、小麦相場を強く支えています。ビートについても作柄への大きな影響が懸念されており、産地相場を下支えている状況です。
アルファルファ ワシントン州
 主産地コロンビアベースンでは7月下旬までに2番刈が全域で終了しており、南部では8月初旬頃から3番刈の収穫が開始される見込みです。 2番刈の作柄は降雨の被害がほとんどなく、日中も高温に至らず温暖な気候が続いたため、成分値の高い上級品が多く発生しているようです。1番刈では高成分の上級品が少なかったため、2番刈への需要が高まり、産地価格は1番刈と変わらず堅調に推移しています。また、2番刈では良品が多く発生したことから中~低級品の発生量が相対的に少なくなっており、これらの産地価格も堅調で中級品と上級品の価格差は例年よりも縮まっています。


       18年産ワシントン産2番刈アルファルファ 7月中旬撮影
   オレゴン州
 南部クラマスフォールズでは7月中旬に1番刈が終了し、現在2番刈の収穫が進行中です。1番刈の作柄は、収穫期に断続的な降雨があり、約60-70%の圃場が降雨の影響を受けています。さらには、降雨を避け適期を逃したため、刈り遅れ品も発生しており、米国内酪農家と輸出業者双方から発生量が少ない高成分の良品への需要が集中し、産地価格は高騰しています。
 中部クリスマスバレーでも1番刈の収穫は終了しており、2番刈の収穫が開始されています。当地でもクラマスフォールズと同様に一部で降雨被害及び刈り遅れ品が発生しており、高成分・上級品は高値で取引されています。


       18年産オレゴン産1番刈アルファルファ 7月上旬撮影
   ネバダ州/ユタ州
 ネバダ州の1番刈は終了しており、現在は2番刈の収穫が進んでいます。1番刈の作柄については、ネバダ州全体で約10~15%ほどが降雨被害にあっており、それ以外についても降雨を逃れるため、刈り遅れ気味のものが多く発生しているようです。加えて、カリフォルニア州やアイダホ州向けの米国酪農家、および輸出業者からの引き合いが強く、積極的に買い付けられており、他産地と同様に価格は堅調に推移しています。
 ユタ州の1番刈は5月中下旬に始まり、6月上中旬に終了しています。現在2番刈が終盤を迎えているところです。1番刈は降雨被害がほとんどなく、色目・葉付きは良好で、例年に比べ高成分の茎細品が多く発生しています。


   18年産ネバダ産2番刈 7月上旬撮影       18年産ユタ産1番刈 7月上旬撮影 
 
カリフォルニア州
 南部インペリアルバレーでは4番刈が終盤を迎えており、早い圃場では5番刈が始まっています。現地の日中の気温は100F(38℃)を超える日が続いているため低成分のものが多く生産されています。一部発生している成分が高めの玉は、サウジアラビアなどが積極的に買い付け、低成分のものについても、安定的な米国内酪農家の引き合いがあり、総じて産地相場は堅調に推移しています。
 カリフォルニア北部では2番刈の生産が終了しており、既に3番刈の収穫が始まっています。2番刈は例年に比べ、葉量が多く成分値が高い傾向のようです。このため州内の酪農家の引き合いが非常に強く、1番刈と同程度の価格で取引されています。作付面積も昨年より減少しており、価格上昇の要因となっています。
米国産
チモシー
 主産地のコロンビアベースンおよびエレンズバーグの1番刈は終了しており、早い圃場では2番刈の作業が始まっています。1番刈は6月中旬の降雨の影響で40~50%程度が何らかの降雨被害を受けており、降雨被害を免れたものについては刈り遅れ気味の品質が多く、茶葉の混入も目立っています。加えて、収穫期に天候が例年よりも冷涼なことから、圃場での予乾時間が長くなり、その影響で全体的に変色やブリーチが多くなっています。 産地相場は、発生量が少ない上級品については昨年と同等レベルで推移しており、生産量が多い中~低級品については軟化傾向にあります。
カナダ産
チモシー
 南部レスブリッジ地区では、6月末から1番刈の収穫が始まりました。収穫期の天候が安定したことから7月下旬までに収穫作業は終了しています。冷涼な気候の影響を受け、昨年よりも収穫開始時期は遅れたものの、例年並みの期間で収穫を終えています。作柄については半数以上が上級品となっていますが、作柄が良かった昨年に比べ茶葉の混入はやや多めで品質は例年並みとなっているようです。
 産地相場については、韓国からの引き合いが引き続き強いことに加え、米国産チモシーの1番刈の相場が高値のまま推移していることから、昨年の同時期に比べ強含みで推移しています。
 中部クレモナ地区では7月下旬から収穫作業が始まっています。生育期に当たる5~6月の降水量が例年の半分程度であったことから、生育のペースは非常に遅く、生産量の低下が懸念されます。
スーダングラス  7月15日付のインペリアルバレーにおける作付面積は前年同月比107%となっています。スーダン1番刈の収穫は遅播きも含めて終了し、2番刈の収穫も中盤を迎えています。
 1番刈の作柄は、昨年に比べて茎サイズにバラツキがあり、茶葉も例年よりも目立つ、中~低級品の発生が中心となっています。茎細の上級品においても茶葉が混入しているものが多く、茶葉の少ないクリーンな上級品の発生は、例年に比べて少なくなっています。2番刈についてはこれまでのところ、1番刈に比べ茶葉の混入は少なく、見た目は良化しているようですが、スーダン相場が低迷していることから生産農家は単収を追っているため、今後は茎太品の発生が多くなる可能性が高くなっています。
 産地相場については、茎細の上級品は色抜けの有無にかかわらず発生量が少ないことから、高値で取引されていますが、中~低級品については昨年に比べやや弱含みで推移しています。  

          18年産スーダングラス 茎細上級品  7月下旬撮影




       インペリアルバレー スーダン作付面積(2018年7月15日時点)単位:エーカー
クレイングラス (クレインは全酪連の登録商標です)
 7月15日付の作付面積は前年同月比122%となっています。現在、3番刈の収穫が進んでいますが、期間中、不安定な天候が予想されていたため、7~10日ほど収穫時期を遅らせた圃場が多かったことから、刈り遅れ傾向になることが懸念されます。また6月以降、例年よりも湿度が高い状態が続いているため、2番刈は良品の発生が中心ではあるものの、緑目がやや薄くブリーチが入ったものが散見されています。
  産地相場は、韓国から需要が鈍化することなく堅調であることから、昨年に比べ高値のままで推移している状況です。今後の相場は、引き続き韓国の需要動向に左右される展開と思われます。




   インペリアルバレー クレイングラス作付面積(2018年7月15日時点)単位:エーカー 
ストロー類 (フェスキュー・ライグラス) 
 18年産は、6月下旬からフェスキューストローやオーチャードストローなど一部のストロー類で収穫作業が始まりその後、ペレニアルライグラスストローの収穫も開始されました。現在、ストロー類の収穫作業は順調に進んでおり、品質面では特に大きな問題は発生していないようです。
豪州産
オーツヘイ 
 オーツヘイへの需要は日本のみならず中国、韓国および台湾から引き続き堅調で、各サプライヤーとも出荷は順調に進んでいるようです。 東豪州および南豪州においては、旱魃の影響で豪州国内の畜産農家からの引き合いが強まっており、生産農家並びに各サプライヤーの余剰在庫のうち低級品を中心に相当量が豪州国内へ流れたと言われています。このため、低級品の産地相場は高騰しています。上~中級品については、今のところ大きな変動要因はなさそうです。 西豪州は播種時期から5月下旬まで降雨が少ない状況でしたが、それ以降はコンスタントに降雨があり、直近では例年以上の降水量が記録されています。このため、生育も順調に進んでおり、現在のまま順調に生育が進めば例年並みかそれ以上の収量が期待されます。東豪州および南豪州においては、播種時期の降雨は十分であったものの、その後旱魃状態が続いていることから生育にも影響が出ており、今後の天候次第ではあるものの、生産量は例年以下になると予想されています。