輸入粗飼料情勢 (平成31年4月8日発表)

<購買生産指導部 購買推進課>

北米コンテナ船情勢  4月に予定されていたGRI(海上運賃一斉値上げ)は概ね回避されましたが、一部の船社はターミナルハンドリングチャージ(THC)などの各種チャージの値上げや、貨物が混雑している港に付加されるPort Congestion Surchargeなど新たなチャージの導入を開始しています。今後も同様な動きが増えていくと予想されます。
  大型連休中の各地コンテナヤードの稼働・営業日はまだ全て明らかにはなっていませんが、連休前後の引き取りや、返却などかなりの混雑が予想されています。  
ビートパルプ <米国産>
 1月後半から2月にかけて中西部を襲った記録的寒波の余波が各方面に出ています。貨物輸送用の鉄道が一部地域で寸断され、タイムリー且つスムーズな受け渡しが難しい状況が続いていますが、日本向けビートパルプの出荷については今のところ大きな影響はなさそうです。
 主産地における新穀の作付面積は微増と予想されています。現在、各産地では作付作業が進行中で、天候が良好であれば若干ながらさらに作付が増えることも考えられます。
 米国では乳牛/肉牛ともに飼養頭数は増加傾向にあり、ビートパルプを含む飼料需要は堅調に推移しています。主要な繊維源の一つであるアルファルファは生産量の減少と中東や中国の需要の伸長によって価格は上昇、他の繊維源の相場についても軒並み堅調な動きを見せています。また、米中間の貿易問題により米国産を含めた飼料用穀物の需給地図にも変化が見え始めており、これら穀物相場の動向もビートパルプの新穀価格に影響を及ぼしてくると考えられます。

 <中国産>
 米国産ビートパルプの輸入量は、米中間の貿易問題の影響で大幅に減少しており、直近では取引が実質止まっているようです。しかしながら、取引が再開した際の影響は世界のビートパルプの需給バランスに大きな影響を与えるため、引き続き動向には注視が必要な状況と言えます。
アルファルファ ワシントン州
  産地では例年よりも降雪量が多く雪解けが遅かったことから、新穀の収穫に向けての作業がやや遅れています。今後の天候次第ですが、コロンビアベースン南部では5月上旬、北部では5月中旬頃から1番刈の収穫作業が始まる見込みです。
 産地在庫は低級品を中心に極めて逼迫した状況で、新穀を迎えようとしています。同州では昨年対比+1%増の770,000エーカー程の作付面積になると見込まれていますが、国内外からの強い需要に対応できるかは不透明であり、新穀の産地相場の予想では早くも強含みを唱える声が聞こえています。
 
   オレゴン州
 今年の冬はワシントン州同様、降雪も多く天候も不安定だったため、在庫品のダメージが多いようです。僅かに残っていた旧穀在庫も輸出向けに高値で動いた事例も見られ、新穀を含めた今後の産地価格の高騰が懸念されます。
 主要な産地における作付面積は前年並みで、オレゴン州全体では昨年対比6%程増加と予想されています。新穀の収穫は例年通り6月頃から開始される見込みです。
   カリフォルニア州
 カリフォルニア州全体のアルファルファの作付面積は前年対比6%前後減少の920,000エーカー程になると予想されており、1909年の統計開始以来、最低の数字となっています。
 一方、主産地の一つであるインペリアルバレーでは作付面積は微増しています。当地の新穀1番刈の収穫はほぼ終了しており、例年よりも冷涼な気候もあって、CP22~24%、RFVは200を超える高成分のアルファルファも多く生産されています。新穀の1番刈に対しては、米国内酪農家および一部の輸出向けからの引き合いが強く、産地相場は堅調に推移しています。
 サンフォワンキンバレーの南部ベーカーズフィールド付近でも1番刈の収穫が始まっていますが、不安定な天候のため輸出向けには適さない品質が多いとのことです。同地域以北からネバダ州にかけても冷涼な天候が続いており、新穀の収穫作業は例年より若干遅れる見込みです。
  ユタ州
 5月中旬までに1番刈の収穫が開始される見込みですが、一部の地域では継続的に灌漑用水の不足が見込まれています。同州での作付面積は昨年対比5%程度減少と見込まれています。

米国産
チモシー
 18年産の産地在庫はグレードを問わずほぼ成約済となっており、今後は新穀まで買付けした玉を繋いでいくことになります。  
 2月に産地で降った大雪の影響で一時的にデリバリーが乱れましたが、産地では徐々に気温が上昇しており、今後のスケジュールは徐々に回復していくものと思われます。  
 新穀の作付面積は、18年産の産地相場が他作物に比べて相対的に高値で推移したことから若干増加するものと見込まれています。
カナダ産
チモシー
 前月から大きな情勢の変化はありません。産地在庫はすべて成約済の状況となっており、今後は新穀まで契約済の在庫を積み出していくこととなります。 産地相場については日本および韓国からの需要が安定していることから、大きな変動なく堅調に推移しております。
スーダングラス  日本からの需要は上級品から低級品までグレードを問わず堅調に推移しています。2019年2月単月のスーダンの輸入数量は前年比114.6%と大きく増加しています。豪州産オーツヘイの高騰により、相対的に安価な中~低級品のスーダンへの需要の移行が起こっていると考えられます。端境期に向かいつつある中での需要増により、18年産の繰越在庫がほぼない状態で新穀へ突入することになりそうです。
 例年3月から本格化する早播きスーダンの作付面積に影響を及ぼすデュラム小麦の作付面積は、3月15日時点で前年同月比36% (約7,800エーカー) と産地相場の低迷を受けて大きく減少しています。



        インペリアルバレー 小麦作付面積推移(単位:エーカー)


 このため、早播きスーダンの作付面積は増加することが期待されますが、ほぼ日本向けに生産されているスーダン全体の需要が大きく伸長するとは考えにくく、最終的な作付面積は昨年と同程度~やや増加程度に留まると考えられています。
 これまでの産地の気温は昨年よりも低く、早播きスーダンの作付は昨年より2~3週間程度遅れており、4月1日時点の作付面積は前年同月比64%の約16,500エーカーとなっています。これに伴い、収穫のスタートもやや遅れる見込みで本格的な作業は6月に入ってからと予想されています。



インペリアルバレー スーダングラス作付面積推移(単位:エーカー)

 また、昨年はスーダン種子の価格が高騰し、多くの圃場で播種量が意図的に減られ品質にも少なからず影響を及ぼしましたが、今年の種子相場は例年並みに落ち着いています。このため、昨年のような播種量由来による茎のバラつきは少なくなるものと期待されています。
クレイングラス (クレインは全酪連の登録商標です)
 3月15日時点の作付面積は前年同月比120%となっています。好調な産地相場を背景に、クレイングラスの作付面積は昨年同期比で増加しており、19年産は生産量も比例して増加すると予想されています。
 産地の気候は前述の通り、昨年よりもやや冷涼ですが、各圃場には3月下旬から新穀の収穫に向けて水入れ作業が始まっています。順調に生育すれば、新穀の収穫作業は4月末から5月上旬から開始される見込みです。
  産地相場については、日本および韓国からの引き合いは一貫して強い状況が続いており、高値のまま推移しています。産地には余剰在庫はほとんどなく、18年産の繰越在庫が枯渇した状態で新穀シーズンに入る見通しです。
 このため、新穀の開始とともに日本および韓国からの買付が殺到し、産地相場のさらなる上昇が懸念されており、例年以上に慎重な対応が必要な状況です。

ストロー類 (フェスキュー・ライグラス) 
 3月13日に発表されたオレゴン州における主要種子の作付面積予測によると、グラス系種子の総作付面積は昨年比102.5%と増加する見込みとなっています。このうち作付面積を増やしているのは、アニュアルライグラスとトールフェスクで、ペレニアルライグラスの作付面積は昨年比89.3%と減少する見込みです。
 種子の生産を予測する作付面積とストローの生産量は必ずしも比例するわけではなく、またヘーゼルナッツやホップなど他作物の生産も増加しているため、新穀に向けて産地の生産状況を注視していく必要があります。
 日本および韓国からのストロー類への需要は堅調に推移しており、産地相場も大きな変動ないまま安定して推移しています。日本では昨秋、防疫上の問題から中国産稲わらの輸入量が一時的に減少し、米国産ストロー類の輸入量が増加しました。その後、中国産稲わらの輸入量は徐々に回復したことから、直近のストロー類の国内在庫はやや過剰となっているようです。
 韓国では、オレゴン産ストロー類および豪州産オーツヘイの相場が高値で推移していることから、より安価な米国産バミューダストローへ需要が移行しているようです。
豪州産
オーツヘイ 
 日本、中国および韓国からのオーツヘイの引き合いは引き続き堅調に推移しています。旱魃や収穫期の天候の影響によるオーツヘイの生産量の減少、並びに豪州国内の畜産農家からの需要増加により、産地在庫は例年よりも逼迫感があります。
 発生量が少ない上級品および低級品については、余剰在庫はなく、比較的発生量が多かった中級品についても、余剰在庫は限定的な状況です。
 一方で、産地相場の高騰から日本向けの荷動きはやや落ち着き始めており、韓国では新穀が開始されるとともに、積極的に輸入量を増やしたため、その反動で国内在庫が積みあがっており、直近の需要はやや弱まっているようです。
このような一時的な需要の緩和は今後も定期的に見られる可能性はありますが、例年よりも産地の生産量が少ないことに変わりはなく、輸出向けや豪州国内からの需要が大きく減退するとは考えにくい状況であるため、今後の産地相場も高値のまま推移すると考えられます。  
 19年産の播種は、各産地において5月上旬頃から順次行われる見込みで、初期の生育を左右する4月から6月にかけての降水量が今後注目されるところです。各産地の作付面積は18年産の在庫率の低さと内外からの堅調な需要を背景に増加すると予想されています。。