輸入粗飼料情勢 (平成30年2月6日発表)

<購買生産指導部 購買推進課>


北米コンテナ船情勢  2月のGRI(海上運賃一斉値上げ)は多くの船社で回避されましたが、いくつかの大手海運会社は2月からPNW(太平洋西岸北部)出しの値上げを実施することとなりました。3月以降、他の海運会社も追随するか注視する必要があります。また、一部の船社ではサービスや寄港地の変更も発生しており注意が必要です。
ビートパルプ <米国産>
 昨年11月の段階では、例年に比べ高めの気温が続いていたため冬期保管のビート大根の品質劣化につながる懸念が若干ありましたが、例年並みの気温に落ち着き、現在は良好な原料保管状況が維持されています。その後は、順調に製糖作業及びペレット生産が行われています。この冬に大寒波と大雪に見舞われた米国東岸での交通機関の混乱は、日本向けBPP生産の主力ミネソタ州及びノースダコタ州ではその影響も少なく、現在のところ貨車の輸送状況も順調です。
 前月の情勢でも記載した通り、一部地域で想定以上の単収減があったことから、供給量も減り、追加買付は難しい状況となっています。この影響で中国向けの販売数量は、当初予想を大きく下回ると言われています。
  新穀の作付けは早い地域で3月末、日本向け主力のミネソタ州及びノースダコタ州では4月中旬のスタートとなります。
アルファルファ ワシントン州
 輸出向けや米国内向けの高成分な上級品の需要は増加傾向にあり、昨年の同時期と比べると余剰在庫は少なく端境期の在庫は限定的となる見込みです。
 現地では降雪が多くみられ、峠や山間の道路が通行止めになり工場までの原料草の搬入や港湾までの輸送で遅延が起こりやすくなっています。加えて、冬場は荒天の影響も受けやすいため、しばしば本船のスケジュールに遅れが発生しています。
オレゴン州
 オレゴン州でも輸出向けに限らず米国内向けの高成分な上級品のアルファルファの需要が旺盛です。このため産地在庫はほぼ成約済で、一部の低成分品や変色が激しいブリーチ品のみが残っている状況です。産地価格は刈取り番手が進むにつれて上昇し、特に成分が高い4番刈は3番刈を上回る価格となっています。
カリフォルニア州
 カリフォルニア州南部インペリアルバレーでは12月上旬で2017年産の収穫作業は終了しています。2018年産の1番刈りは2月中旬から収穫作業が始まる見込みです。カリフォルニア州北部では、水源であるシエラネバダ山脈の積雪量が、現在のところ例年並みとなっており、昨年同様、水不足の懸念はなさそうです。
 一方、2017年の生産量はアルファルファの種子価格上昇からインペリアルバレーでは種子の収穫に転換している圃場が増え、牧草としての生産量は減少しています。
 USDAによるとアメリカ全体での2017年産のアルファルファの生産量は前年比で4%減少しています。特にカリフォルニア州では、前年比で3%減少し450万トンと1949年以降過去最低となっています。このような傾向が新穀の相場にどのような影響を及ぼすか、例年以上に注視が必要と思われます。
 また、米国内のトラック等の輸送環境も変化してきています。特に内陸からの輸送についてはトラックの不足や法改正による業務履歴の記録や実働時間の制限、さらには燃料代の上昇などにより、そのコストは徐々に上がってきています。新穀の相場動向に加え、米国内の輸送事情も品代に影響を及ぼしていく可能性があります。
米国産
チモシー
 2017年1~12月の米国産チモシーの輸入数量は333,354トンとなり、前年比103%となっています。日本からの需要は引き続き堅調に推移しており、それに伴って産地相場も高止まりしたままで推移しています。
17年産の在庫について、低級品は一部未制約のものもあるようですが、高級品についてはほぼ成約済となっており、今後の追加買付は例年よりも難しい状況と言えます。
  2018年産については、産地相場の高騰を背景に、作付面積は増加することが予想されています。播種時期の秋期以降の天候・気候は例年並みであり、これまでのところ2018年産クロップの生育への不安点はありません。  
カナダ産
チモシー
 2017年1~12月のカナダ産チモシーの輸入数量は101,296トンで、前年比では130%と4年ぶりに輸入量は10万トン台となりました。既報の通り、17年産は収穫期の天候に恵まれたことから、南部レスブリッジ地区および中部クレモナ地区のどちらの地区においても発生量の半数以上が上級品の発生となり、作柄が良好であったことが要因と言えます。加えて、米国産チモシーの価格高騰により相対的に割安感があることが輸入量増に拍車をかけたとも考えられます。
 日本および韓国からの需要は引き続き堅調であり、産地在庫はほぼ成約済の状況となっています。
スーダングラス  2017年1~12月のスーダングラスの輸入数量は261,776トンとなり、前年比103%となっています。17年産の産地相場は16年産と比べると強含みで推移しています。これは16年産の産地繰越在庫が極めて少ない状態で新穀がスタートしたことで、需給のバランスが崩れたためと考えられます。また、同じ禾本科牧草であるチモシーが高値で取引されたことで、スーダンの相場も連れ高となったことも要因の一つと言えます。
17年産はスーダンヘイの相場が良かったことから、例年よりもヘイの生産量が多く、種子の生産量が減少しました。このため、一部では新穀向けの種子相場への影響が懸念されていますが、17年産以前の繰越在庫もあるため、18年産の作付や生産自体への影響は限定的との見方もあります。作付面積については、スーダングラスと競合する小麦の相場が現時点では低迷していること、スーダンの産地相場は引き続き好調なことから昨年と同程度になるものと予想されます。


                    品目別輸入通関統計(2017年1月-12月)
クレイングラス (クレインは全酪連の登録商標です)
 2017年1~12月のクレイングラスの輸入数量は72,853トン、前年比では110%となっており、2年ぶりに輸入数量は7万トン台に達しました。
 1月15日時点のクレイングラスの作付面積は前年比27%増となっており、18年産の作付面積は16年産並みに回復することが期待されます。産地在庫はほぼ成約済で、日本および韓国からの需要は引き続き堅調なことから、多くのサプライヤーが、繰り越し在庫がない状況で新穀を迎えることになりそうです。堅調な引き合いと限定的な繰り越し在庫が新穀の相場にどのような影響を及ぼすか、今後の動向には例年以上に注視が必要と言えます。
 今年は暖冬傾向と言われており、18年産の生育は今のところ早めの進捗を見せています。最も早い農場では今後2-4週間のうちに水入れを開始する見込みです。  
ストロー類 (フェスキュー・ライグラス) 
 17年産については、作付面積、単収が減少していることから全体的な生産量が少なく、また、16年産の繰越在庫も例年になく少なかったため、多くの生産農家が売り時を探って未だに在庫を抱えている状況です。年明けから一部の生産農家がサプライヤーに在庫を売り始めているようですが、余剰在庫が潤沢にある状況ではなく、引き続き供給のタイト感は続く見込みです。
 ストロー類の輸入量が多い韓国については、輸入割当数量(クオータ)が大幅に増えた2017年内の駆け込み需要が多く、年明け以降の輸入量はやや落ち着いてきているようですが、それでも一定の需要はあるため、今後も堅調な荷動きが予想されています。
 豪州産ストローの状況も降雨被害の影響で芳しくないため、米国産ストローへの需要は引き続き堅調に推移することが予想されます。今後の産地相場及び供給量については十分に注意していく必要があります。
豪州産
オーツヘイ 
 2017年産の豪州産オーツヘイの生産は終了しています。
 西豪州では収穫期を通して断続的に降雨があり、上級品の発生はごく一部に限られ、大半は何らかの降雨被害を受けた中~低級品の発生が中心となっています。サプライヤーによっては上級品の繰越在庫があり、今シーズンの通年供給も可能なようですが、西豪州全体での上級品の供給力は例年よりもやや落ちる見込みです。
 南豪州では収穫期の天候に恵まれ、多くの上級品が発生しています。東豪州では産地のエリアによっては作況が大きく異なっています。中部エリアでは天候に恵まれたことで上級品の発生が中心となっていますが、収穫中に降雨被害に見舞われた西部および東部では中~低級品の発生が中心となっています。
 産地価格については、比較的発生量が多い中級品については値下げに動いているサプライヤーが見られます。上級品については今のところ、昨年に比べやや軟調に推移しています。
 ストロー類については、西豪州、南豪州、東豪州の各産地で収穫期に降雨が発生し、南および東豪州では輸出向け品質のものは少なく、西豪州についてもストロー類の発生は北部を中心に限定的となっています。                                                                  
                                                                  以 上