第38回らくのうこどもギャラリー
第44回(平成29年開催)

全国酪農青年女性会議と本会の共催による「第44回らくのうこどもギャラリー」に全国より720点のご応募を頂きました。
厚く御礼申し上げます。
作品の審査については、昨年に引き続き宮島径先生(フォトグラファー:東京芸術大学美術学部卒業)と浅野智先生(画家:東京芸術大学美術学部卒業)にお願いいたしました。
作品全体の総評とそれぞれの講評をご紹介します。

全体の作品について 宮島 径 及び 浅野 智

 今年も「第44回らくのうこどもギャラリー」に多数応募いただきありがとうございました。北は北海道から南は沖縄まで応募作品720点の中から12点を選ばさせていただきました。様々な傾向の作品が揃っていました。標語の入ったものやポスターのようなデザイン重視の作品もある中、今回はより子供らしいのびのびとした自由な絵画を選出しました。
 特選の土山希望さんは、昨年の入選1に選ばれていますが、今年はデッサン力も一段と高くなり、より表現力が増した魅力的な作品になり、見事特選となりました。入選1の喜多小雪さんの作品は、牛の顔や体のかわいらしさがじわじわと心に響いてきます。入選2の蒲野かずきさんの作品は、動物を見て描いた実感が伝わってくる迫力のある絵に仕上がっています。入選3の高野凛さんの作品は、ピンクが画面を支配する色彩感覚あふれる個性的な絵だと思います。  
 今回の特選から秀作に至るまでのすべての作品は、各自の着眼点がしっかりと認められ、その眼差しのこだわりが表現に反映されています。一方で入選を逃したファイナリストの中には、同じ技法や表現方法を採用しているため、形式が先行してしまい個性が埋没してしまった作品も多く見受けられました。形式にとらわれない大胆で奔放な生命力ある作品を今後とも期待しています。最後になりましたが、こどもギャラリーに携わってくださいました酪農家はじめ関係者の皆様に深く感謝申し上げます。    
                                      

特選
        
「パーラーでリラックス」
山口県 秋吉小学校 5年
土山 希望さん

 複雑な仕組みのパーラーや4頭の牛さんを確かなデッサン力で描いています。真っ直ぐ前を向く牛さんや隣を横目で気にしている牛さんなどをよく観察していて、表現にリアリティがあります。細部まで丁寧に描きこんだ完成度の高い傑作です。

入選

「かわいいうし」
東京都 大泉東小学校 1年
喜多 小雪さん

 緑色の紙にクレヨンと水彩を使って描いた作品。敷料の上に寝そべる牛さんと手前の子牛さんを描くタッチにはスピード感と力強さがあり、魅力的な画面に仕上がっています。


「ずっと口を開いている牛」
愛知県 豊富小学校 3年
蒲野 かずきさん

 口を開けてこちらをじっと見つめる牛さんが、荒々しい筆致で描かれています。偶然に生じた黒色のにじみや濃淡が功を奏して、牛さんの表情に深みが表れ、力強い作品に仕上がっていると思います。


「ねむる牛」
栃木県 青木小学校 4年
高野 凛さん

 風に吹かれ舞い散っている花のなかで、しっぽをなびかせる「ねむる牛」さんは、映像を見ているようなゆったりとした時間を感じさせます。どこか夢の中にいるような不思議な情景が表現された物語性を感じさせる絵です。


「なつかしい思い出」
北海道 馬場川小学校 6年
森垣 華さん

 画面の手前から奥にわたる隅々まで、手の込んだ丁寧な作品に仕上がっています。筆のタッチに様々な変化がみられ、繊細で優しさが広がる絵です。地面の草を食べる牛さんの姿も良いです。

秀作

「牛にゅうを飲める幸せ」
福島県 橘小学校 4年
鈴木 千陽さん

 題名の「牛にゅうを飲める幸せ」を、差し伸べた四葉のクローバーに込めたメッセージ性のある素敵な作品。牛さんの毛並みや牧草を細やかなタッチで丁寧に表現しています。


「じぃじの牛舎だぁ~いすき」
岡山県 新野小学校 3年
影山 みゆさん

 大好きなおじいさんの牛舎の様子を水彩画で描いた作品。大人しく繋がれた牛さんたちのそれぞれの表情をしっかり描いています。牛舎の雰囲気が伝わる心に響く作品です。


「ビックリ、モー」
埼玉県 大家小学校 3年
中村 晃太郎さん

 牛さんのお顔をアップで描いた作品です。ここまで単純化された牛さんの絵を見たことはありません。見る人も「もうビックリ」させるインパクトの強い個性ある作品です。

ファミリー賞


「沖縄の牛」
沖縄県 安波小学校 6年
鈴木 さくらさん

 せっせと牛さんの世話をする人たちと、くつろいでいる牛さんをよく観察して描いてます。酪農家の日常を愛情豊かな眼差しで描いています。柵の直線を生かして画面をダイナミックに構成しています。



「牛さんとえん足」
福島県 東芳小学校 2年 
矢吹 凛音さん

 遠足で牧場に行った時の楽しかった思い出が絵から伝わってきます。牛さんと人とのふれあいの他にも、アリさんやハチさんやモグラさんなどが登場してにぎやかです。牧場で体験した出来事が描かれていて作品から清々しさを感じます。

あすなろ賞


「牧場の風景」
福島県 多田野幼稚園 6歳
渡邊 陽翔さん

 のびのびした線で大きな牛さんとそれを取り囲む人たちが笑顔で描かれています。いつまでも鑑賞していたいと思わせるような、ほのぼのとする楽しい作品となりました。



「動いている牛」
佐賀県 武内保育園 6歳
山口 陸斗さん

 「動いている牛」と題された山口陸斗くんの作品は、体が顔であって、顔が体であるような牛さんがかわいらしいです。色やかたちを目で追うと画面にリズムや調和が感じられてくるのが不思議です。子供らしい無心さが現われていると思います。